親は私を見てくれない。
最低限の食事ぐらい。
それで我慢しないと。
親は陽斗を期待する。
頭が良くて、
運動ができて、
個性が強くて、
なんでもできる天才な弟。
だから、私は興味ないって
突き放された。
もう、慣れちゃったけどね。
気分転換に近くの公園に行った。
夜中だからなのか、人はいなかった。
私はベンチに座り、夜空を眺める。
月、綺麗だなぁ
でも……
何かいる。
いつも、見えてた。
まだ、私も期待されていた頃。
そんな小さな頃に見えた化け物。
私には何かわからなかった。
だからみんなに聞いてみた。
親にも、
陽斗にも、
クラスの子にも。
でも、みんな口を揃えてこういうんだよ
「何もいないよ?」
私にだけしか見えない。
だから気にしないようにした。
みんな、馬鹿にするから。
怖がられるし。
いつも見えてたやつは何も被害を出さなかった。
だから、気にしなかった。
でも、ここにいるやつ、こっち来て……?
反射的に避けた。
けど、危なかった。
次は避けられない!!無理だよ!
ギュッと目をつぶった。
でも、振りかぶられた腕は私に当たることなく弾け飛んだ。
誰だ、この不審者みたいな人……
何この人……
テンションについていけない……
そう言ってもう行くのかと思った。
けど……
え……なんで?













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!