放課後の公園。探偵事務所の機材を整備していたジェットは、あんなとみくるの猛攻に遭っていた。
あんなの強引な誘いに、ジェットは口の中のキャンディをガリッと噛み砕いた。その時、近くのベンチで静かに高級カップアイスを食べていたるるかが、ふと顔を上げた。
みくるが笑顔で答えると、るるかの瞳がわずかに揺れた。
ジェットが折れると、あんなとみくるは顔を見合わせてニヤリと笑った。
あんなが身を乗り出して、ジェットの顔を覗き込む。
みくるの爆弾発言に、ジェットは盛大にむせた。
るるかはスプーンを止めて、小首をかしげた。
文化祭当日。
あんなとみくるが用意した制服(変装用)に身を包んだ二人は、賑わう校内を歩いていた。
慣れない制服のスカートを気にするるるかに、ジェットは顔を真っ赤にして視線を逸らす。
背後からあんなの声が響く。二人はエプロン姿で、トレイを手に走ってきた。
るるかは無造作にパフェを食べ始め、そのまま生クリームのついたスプーンをジェットの口元へ運んだ。
騒ぎ立てる二人を前に、ジェットはキャンディを噛み砕く暇もないほど混乱していた。
その時、校庭の方で黒い煙が上がった。怪盗団ファントムの気配だ。
ジェットがるるかの手を取り、走り出す。あんなたちは知らない。ジェットを守るために戦う「影のプリキュア」の正体が、今さっきまでパフェを食べていたミステリアスな少女だということを。
るるかの瞳に、静かな怒りの火が灯る。
闇を纏うキュアアルカナ・シャドウが、文化祭の空に舞う。それを見上げるあんなたちは、まだその正体に気づかない。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!