第5話

#005 kzh
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2026/03/31 13:41 更新




あなた
 葛葉ー、熱高いから点滴しようか 


葛葉
 …やだ 


あなた
 だめです 


葛葉
 やだ! 


あなた
 葛葉。 
あなた
 すぐ終わるから 


  準備をする手を止め
  真っ直ぐ葛葉を見つめる。


葛葉
 点滴なんか…痛いに決まってんじゃん 


  目が少し潤んでいる。
  反抗したところで意味ない事は
  彼自身が一番わかっているのだ。


あなた
 葛葉、大丈夫、落ち着こ 


  ベッドに横になる葛葉は小さく震えていて
  普段の葛葉とはまるで違った。


葛葉
 …はぁ…はぁ…     


あなた
 葛葉、楽になるから頑張ろ 


葛葉
 …やぁ


  息が上がって来ているため
  あまり我儘は聞いていられない。


あなた
 ((仕方ないか…     
あなた
 葛葉ー、ちょっとチクっとするよ〜 


葛葉
 あっ、やっ…! 
葛葉
 いだっ…! 


  素早く針を刺し固定する。
  そしてすぐに酸素マスクへと
  手を伸ばす。


あなた
 酸素マスクつけるよ〜 


葛葉
 …うっ、はぁ…はぁ…      


  苦しそうに呼吸をするが
  すぐに治まった。


あなた
 無理やりしちゃってごめんね 


  頭を撫でようとするが
  プイっとそっぽを向かれてしまった。


  無理やりにはなってしまったが
  必要な事だったので仕方がない。
  これで良くなってくれればいいが。
  そんなことを思っていると


あなた
 …あっ、配信…     


  急いで画面に向かうと
  人数は最初の比較とはならないほど
  増えていた。


  ▶︎ 幸せすぎる……
  ▶︎ 体調良くなるといいな…
  ▶︎ お大事に!
  ▶︎ これを毎回相手しているとは
   流石プロだな。


  私に対する称賛も含まれていて
  少し安心した。


あなた
 はい、今日の配信はここまででーす 
あなた
 これ以上葛葉に無理させる 
 わけにはいかないからね


  ▶︎ 次はいつですか?!


あなた
 次は、また誰かが来た時かな 
あなた
 じゃあ、みんなも体調には 
 気をつけるんだよ〜


  最後にそう言って
  初配信を締め括った。




  後日あの配信は葛葉ファンの間で
  神回と呼ばれる事になった。



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