これは、俺と君だけが知っている、とても不思議なお話だ。
昔から、ずっと一緒だった
市内の大きな病院で、大きな部屋で、2人で暮らしていた
2人とも、重い病院を患っていて、永くないなという事を悟っていた
けれど、明日を願い、明日のために一生懸命生きてきた
明日、生きているかもしれない
明日、病気が治るかもしれない
そう思いながら
毎日毎日苦しい治療に耐えて、笑ったり泣いたりしながら生きていた
そしてある日、変わってしまった
可愛くて、かっこよくて、世界一素敵な君が
俺には欠かせない存在であって
初めてできた、「好きな人」だって事
君に話しかけられると嬉しくて
笑ってくれるとキュンとして
泣いてしまったら俺も悲しくなって
ああ、好きなんだなと思った
もう、永くないのに
なのに、人を好きになってしまうのはどうしてだろう
君は、どんな気持ちなのかな?
俺の事、ちゃんと見てる?
友達だと、思ってるのかな…?
まぁ、いいや
友達だと思っていたとしても
もう、いいんだ
短い恋なんて諦めてしまおう
忘れてしまおう
最初から、無かったことにしよう
それが一番両方にとって幸せな解決方法だから
しょうがないんだよ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!