今日は星が綺麗だなぁ
傷も少しずつ癒えてきたし、
でもまだ累に謝れてないな
いつも助けられてばっかりだね
今度こそ謝らせて
今までごめんって
ありがとうって
頑張るよって
言わせてよ
居るはずもない相手に怒ったって今さら
僕は可笑しいのかな
嘘だ
居るはずがない
だって
だって
居るって認めてしまったら
もう、戻れなくなるかも知れないから
泣き止めよ、
でも涙が止まらない
ギュッ
そう言って彼は僕を強く強く抱き締めた
でも、
あぁこのまま時が止まってくれないかな
叶うわけ無いのに
強く、強く抱き締めた彼の体はひんやりとして、
もう居ないことを解らせられた
それから沢山お話しをした
もう一度だけ話せて幸せな時間が続いた
そう思うのもつかの間、累の体が段々透けていくのが見えた
正直行って欲しくない
まだ居て欲しい
最後に見た彼の顔はなんだか寂しそうで
でも、なにか吹っ切れたような
沢山の感情が入り交じっていた
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。