今日の天気も絶好調。
この日は、フリーナにとって少し厄介な日だった。
前日、シュヴルーズに迷子を助けてもらい、無事帰宅したフリーナだったが。
今日は少し審判官ーーーー否、ヌヴィレットに用があり、外へ出なければいけない。
だが今日はシュヴルーズがいつも見回りをしている日。
もし見つかってしまえば心配される、いや、着いてくるだろう。
正直、フリーナはまたあの迷子になる醜態を見せたくないようだ。
扉からノック音が聞こえた。
急いで玄関へ向かう。
急いで時計を見た。
全く気づかなかったシュヴルーズだが、それは置いといて。
時計を指さし、急いで準備するよう言いつける。
少し黙ったヌヴィレットだが、直ぐに答える。
いきなりの宣言に焦ったフリーナ。
これは致し方ない。何故ならヌヴィレットに昨日の件がバレているからだ。
この発言にはシュヴルーズも驚きの表情だった。
華麗に座っていたフリーナも、すぐに立ち上がる。
紅茶を取り、優雅に飲むヌヴィレット。
沈黙。
汗一つかかないヌヴィレットだが、一向に話そうとしない。
いきなり大声を上げたフリーナだが、正直恥ずかしかった。
あの審判官のヌヴィレットにこんなにも心配されるなんて、自分でも恥ずかしく感じる。
この事が決まった途端、敬語が抜けたシュヴルーズだが、心の中では…
物凄く、嬉しかったようだった。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!