第27話

最終日
462
2020/01/12 10:54
わたし、は、、









ザクロ
ザクロ
ここに、残りたいです。
その場にいる全員が目を見開き、わたしの姉はなぜ、という視線をわたしに向け、わたしの妹は今にも泣きそうな顔をしている。
gr
本当にいいのか?
gr
お前はそれで、満足ができるか?
そんな問いかけ、答えなんか決まっている。


ザクロ
ザクロ
ええ。わたしはここに残ります。



いつものように笑い、いや、いつもより華やかな、心のつっかえが取れたような笑顔を皆に向ける。






私を彼処から救ってくれたのは、ゾムさんだ。



私に居場所を与えてくれたのは、総統と、幹部の皆さんだ。
私はあの家に戻る必要は無い。
お姉ちゃんと妹、、マリアには申し訳ないけど、私の存在意義は、









ここにあるのだから。
これ以上、何を求めるというのか。
そんな贅沢、わたしには出来ない。
私は、
ザクロ
ザクロ
総統に、仕える者。幹部の皆さんを、支える者。わたしの使命は、これ以外ないのだから。
割れたステンドガラスの大きな窓から、ふわっ、とした、春風と、桜の花びらが部屋に入ってくる。
漆黒の髪がするりと落ち、真っ白な天使の様な髪になる。

風で髪が揺れる。

隠れている左眼からは、バーコードが落ちて、両目に、真紅の眼が現れる。
腕と脚の鎖は、じゃらっ、と音を立てて私から落ちる。
さっきは違ったであろう服は、ふわりと、レースのついた白い服に変わる。
そのまま、ゆっくり総統に近づく。

































ザクロ
ザクロ
総統。私はあなたに、忠誠を誓います。私の身は、あなたの物です。
膝まずき、細く男らしい我が主の指へ口付けをし、誓う。













これが、私の人生の結末だ。

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