前の話
一覧へ
次の話

第6話

迷い
37
2024/03/05 11:00 更新
あなた
ふ〜...
髪の毛を乾かし終わって、ゆっくりタイム。
最近、ちょっと考えていることがある。
それは、りゅうに僕が中性であることを伝えるかどうかということだ。

りゅうは小学生の時からの同級生で、ずっと僕のそばにいてくれている、優しくて、強い、親友。
そして、僕が最も素に近い状態で接することができる人。

だけど、まだ中性であることを伝えていない。
勇気が出ないのだ。
一人称はずっと「僕」だから、多分りゅうは僕のこと「僕っ娘ぼくっこ」だと思って、「女子」として接してくる。
だけど、それが嫌になってきた。
だから、伝えようかどうかずっと考えている。

もし言ったら、りゅうは僕のこと嫌いにならないかな。
離れていかないかな。
そんな心配ばかり浮かんでくる。
りゅうとは今までもいろんな相談とかしてきたのに、何を今更迷っているんだろうとは思う。
僕から離れることも、りゅうが僕から離れることも、どちらもなかった。
ちょっと喧嘩っぽいことをしたこともあったけど、それでもすぐ仲直りして。

でも、やっぱり怖い。
言うべきなのか、言わないべきなのか。
わからない。

はぁ、考えるの疲れてきた。





...。





もういいや。
言おう。
ぐすぐす考えてたって、ただ時間が過ぎていくだけ。
考えるのだって疲れるし、ずっとモヤモヤしてて気持ち悪いし。
全然決められない自分にイライラもしてくるから。
もし、りゅうが僕のこと嫌いになって離れていったとしても、ずっとモヤモヤしたまま一緒にいることの方が辛い気がする、って思う。
嫌われるなら、いっそ嫌ってくれ。
すっきりしたい。
急だけど、明日言おうかな。
部活あるし、その帰りに。
あー、緊張する。
ちゃんとつたえられるかな。
泣く気がするな 笑。
下校時間がやってきた。
今日はかえでが休みだった。
風邪を引いたらしい。
心配だな。
嫌いな人でも、体調が悪いのが辛いのは理解できるからそこはまた別。
でも、おかげで帰りにりゅうを誘いやすくなった。
もうすぐか。
緊張する〜。
りゅう
なぁ、あなた
あなた
はぇっ!?
話しかけてきたっ!?
なんで?何で今?
僕なんか変だったかな??
りゅう
...え?
あなた
あ、ごめん、何?
りゅう
あぁ
りゅう
今日部活ないってよ
あなた
え、なんで?
りゅう
先生たち、大事な会議があるらしい。
俺たちだけで部活するのはダメだから。
だって、部室にはいろんな機械があるから危ないだろ?
あなた
そうなんだ...。
どうしよう。
心の準備まだできてない。
でも、言わなきゃ、だよね。
昨日の夜決めたんだから。
りゅう
じゃ、またな〜
あなた
っ!まって!
ちゃんと。
りゅう
りゅう
おぉ、なに?
話さなきゃ。
あなた
...あのさ
りゅう
うん?
あなた
自転車置き場まで一緒に行こ?
りゅう
ん、おけ。行こーぜー
あなた
ありがと
...よし。
これでもう逃げられない。
自分を逃さない。
この状況から。

プリ小説オーディオドラマ