髪の毛を乾かし終わって、ゆっくりタイム。
最近、ちょっと考えていることがある。
それは、りゅうに僕が中性であることを伝えるかどうかということだ。
りゅうは小学生の時からの同級生で、ずっと僕のそばにいてくれている、優しくて、強い、親友。
そして、僕が最も素に近い状態で接することができる人。
だけど、まだ中性であることを伝えていない。
勇気が出ないのだ。
一人称はずっと「僕」だから、多分りゅうは僕のこと「僕っ娘」だと思って、「女子」として接してくる。
だけど、それが嫌になってきた。
だから、伝えようかどうかずっと考えている。
もし言ったら、りゅうは僕のこと嫌いにならないかな。
離れていかないかな。
そんな心配ばかり浮かんでくる。
りゅうとは今までもいろんな相談とかしてきたのに、何を今更迷っているんだろうとは思う。
僕から離れることも、りゅうが僕から離れることも、どちらもなかった。
ちょっと喧嘩っぽいことをしたこともあったけど、それでもすぐ仲直りして。
でも、やっぱり怖い。
言うべきなのか、言わないべきなのか。
わからない。
はぁ、考えるの疲れてきた。
...。
もういいや。
言おう。
ぐすぐす考えてたって、ただ時間が過ぎていくだけ。
考えるのだって疲れるし、ずっとモヤモヤしてて気持ち悪いし。
全然決められない自分にイライラもしてくるから。
もし、りゅうが僕のこと嫌いになって離れていったとしても、ずっとモヤモヤしたまま一緒にいることの方が辛い気がする、って思う。
嫌われるなら、いっそ嫌ってくれ。
すっきりしたい。
急だけど、明日言おうかな。
部活あるし、その帰りに。
あー、緊張する。
ちゃんとつたえられるかな。
泣く気がするな 笑。
下校時間がやってきた。
今日はかえでが休みだった。
風邪を引いたらしい。
心配だな。
嫌いな人でも、体調が悪いのが辛いのは理解できるからそこはまた別。
でも、おかげで帰りにりゅうを誘いやすくなった。
もうすぐか。
緊張する〜。
話しかけてきたっ!?
なんで?何で今?
僕なんか変だったかな??
どうしよう。
心の準備まだできてない。
でも、言わなきゃ、だよね。
昨日の夜決めたんだから。
ちゃんと。
話さなきゃ。
...よし。
これでもう逃げられない。
自分を逃さない。
この状況から。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!