生きてる 本当に生きてる
本当に沙代とまた話せるなんて
気づけばあなたの目から大量の涙目が溢れていた
本来なら1年後、同じようなやり取りをしてただろう
当たり前の日常を沙代は送れただろう
前回はちゃんと彼女の支えになれなかった
でも今回は
今回こそは彼女が当たり前の日常を過ごせるようにしなくては
そのために悪魔に魂を売ったんだ
長ったらしいくせに意味のない校長の話
そのうち何人か忘れる新人の先生の紹介を終えてついに皆が待ち望んでいた転校生の紹介の時間がやって来た
教室に入ってきたのは黒人の長身の眼鏡をかけた顔の整った男子だった
嫌な予感がする
まさかこの人…
いや、まさかそんな事ないよね
ただの私の勘違いでしょう
誰だよ!
お前誰だ!
ぜんっぜん印象違うじゃん!
元のあのサイコじみた顔はどうした!?
何温和な好青年の顔立ちしてるんだよ!?
クソっ!何でどっちも顔良いんだよ!?悪魔のくせに!!
嘘でしょ~!!!
何でここにいるんだよ!
登校中にぶつかった男子が転校生だったパターンは親の顔より見たけど、契約した悪魔が同級生のパターンは初見だから対処の方法が分からん!!
コイツ思ったよりがっつり干渉してくるな!
もう逃げようにも逃げられないじゃんこれ
…正直言って性癖ド直球の人が転校生として過ごせるなんて今すぐガッツポーズしたいが
心が2つあるとはこのことか
その時、先生の目が一瞬緑色に光り、虚ろな表情になったかと思えば、次にとんでもないことを言った
後ろに席なんかないはずと思って振り向くと、なんとさっきまでなかった机と椅子が出現しており、しかも誰も違和感に気づいていないという始末
向き直すとアラスターがこちらを見てニタニタと笑っていた
そんな気軽に悪魔の力を使うんじゃない
あなたはすぐに先生に意見しようとしたが、いつの間にか移動していたアラスターが先生に見えない角度で手で口を覆っていた
終わった
これ沙代助ける前に私がストレスで死にそうだ
さらばだ
私のなけなしの青春の光












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。