…目を覚ますと、白い天井があった
なんとなく見覚えのある広い天井…
体を起こすと、今度は顔が見えた
なんとなく見覚えのある顔…
突如、僕の頭にラディの死体の様子が蘇る…
猛烈に、頭が痛くなる…
ドロドロとした濃い絶望が体内で膨れ上がり
そして一気に爆発した…
僕は飛び起き、そして走り出していた…
死んだ…
その言葉を発した瞬間、
僕はようやく実感した…
ラディは…死んでしまった…
その言葉に…僕らは完全に沈黙した
ラディを殺したのは…僕らの誰か…?
こんな馬鹿な…ことが…
僕は…思わずみんなの顔を見回していた…
それは、他のみんなも同じだった…
恐怖と混乱と疑惑の入り混じった視線が、
その場で何度も何度も交差した
楽隊…裁判…?
…規則を見てみよう…
追加規則
⑦
隊員内で殺人が起きた場合は、
その一定時間後に隊員全員参加が義務付けられる
楽隊裁判が行われます
⑧
楽隊裁判で正しいクロを指摘した場合は、
クロだけが処刑されます
⑨
楽隊裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、
クロだけが卒業となり、残りの隊員は全員処刑です
⑩
なお、規則は順次増えていく場合があります
と言う声と共に、ミスターサンが突進してきた…
…だけど
こちらも、僕を含めて反対した人たちがミスターサンに向かって突進していった
タナーさんの静止の声を無視して…
何人か邪魔されてこけた人もいたけど、
たった1人、ブラッドのみがミスターサンに向かって体当たりをした…
そして…
そう、僕らは思いもしてなかった…
また、1人失うなんて…
…ミスターサンが叫んだ後、
僕らは異常な光景を目にしてしまった
…ブラッドの身体中に、グングニルの槍であろうものが…
大量に突き刺されたのだ…
左半分の顔は無くなり、どこもかしこもぽっかり穴が空いている…
ブラッドは、最後にカッと目を見開くと…
そのまま…2度と動かなくなった…
…死んでしまったのだ、僕らの行動のせいで…
何本もの槍に貫かれた…
ブラッドの体…
その体からは、大量の血が広がっていた…
それは…僕が初めて見た"人が死ぬ瞬間"だった…
誰の目にも明らかだった…
さっきまで仲間だったブラッドは…
死んだ、殺された、絶命した
こんなにも、あっさりと…
これが…人の死…
こうして、アイツらは去っていった…
混乱した状況と…
困惑した僕たちと…
変わり果てたブラッドを残して…
しばらくの間…
僕らは口を聞こうともしなかった
ラディやブラッドの死が
とてつもなくショックなのは当然だけど…
でも、それだけじゃなかった…
この中にいる誰かが…
"人を殺した"という事実…
しかも、その人物を突き止めないと
"他の全員"が処刑されてしまう…
互いが互いに疑いの目を向けあっている状況…
…最悪な状況だった
ただ、そんな常軌を逸した最悪の状況でも…
彼は…動じた様子を見せていなかった…
やるしかない…
誰もが口々に、そう呟いていた…
自らを奮い立たせるかのように…
そうだ…やるしかない
やりたくなくても、
やるしかない…
それが、生き残るための唯一の術なら…
やるしかない…!!!
それに、僕達は突き止めないといけない…
…どうしてラディが殺されたのか
どうして、ラディが殺されなければならなかったのか…
知るのは怖いけど…
でも、知らなくちゃいけない…
そうでなきゃ…
僕は、"ラディの死"に納得がいかない…
だから…
…やるしかないんだ!!!!
次回へ続く…






























編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。