窓から光が入り、ある人物を照らす。まるでその人物を見ろとでも言わんばかりに...
「貴様!この度のフィットア領消滅の件、どうやって責任を取るつもりだ!」
「金を出せば済む問題では無いぞ────」
そうだ。責任は取らなければならない。危険ではないと思い、住民たちを避難させなかった。
娘や息子、エリス、ルーデウス、ギレーヌ...様々な人物を巻き込んでしまった。
「静粛に!静粛に...王の御膳であるぞ!」
「ダリウス卿!」
ダリウスがこちらまで歩いてくる。
「まぁまぁ、そう責めるではない、こやつは......」
そこからダリウス色々喋り、最後に"足りぬ"とそう付けた。貴族の社会はそう簡単ではない。お金と謝罪だけで終われぬ程...そうだ。領地を消滅させ、住民のほとんどが死亡または行方意不明になった。
「それで責任を果たすには足りぬのだよ、サウロス。」
この責任は自分の首で払うしかない。
「フィットア領消滅の責任────我が首をもって果たしましょうぞ。」
「──────だそうです。いかがしますか陛下。」
「...............分かった。」
その後、陛下による、処刑と解任の宣言が行われる。陛下は少し、面倒くさそうにしながらもしっかり宣言をした。
「よくぞ、申したぞサウロス殿。微力ながらこのダリウス、その手助けを約束しましょうぞ。」
その言葉を聞いて、思ったこと、それは
「ゲスが、」
という気持ちだった。
息子たちは死んでしまった。あぁ、どうすれば良かったのだろう。
エリス──────お前は今どこで何をしている?
「そやつの首をはねよ!」
もし生きているのならどうか──────────
そして、その剣は振り下ろされた。その剣は首に...
───────届かなかった。
カキンッという甲高い、剣と剣がぶつかり合う時の特有の音と共に、処刑するための剣が弾け飛んだ。
「ギリギリセーフね。」
視界いっぱい、その赤い、赤い...炎のような髪で覆われる。
「お祖父様!助けにきたわ!」
「ちょっと...エリスさん。早いです。」
「ギリギリ間に合ったんだから、いいでしょ?」
どれだけその顔を、その後ろ姿を見たいと思ったのだろうか。どれだけ...
「お祖父様!泣いてるの?私が来たからには安心よ!」
エリスは剣で上段の構え取り、こう宣言した。
「お祖父様は殺させないわ。」
それはまるで...主人を取られてリードの外れた、"狂犬"のようだった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。