もう学校始まるまで時間がない.
弟がいいたいことは多分,『くつしたどこ?』だ.
そんなものに構っていられない.
遅刻は響くんだ,内申点に.
私は走って玄関へ向かい,靴を履く.
....そういえば,お母さん達がまだ帰ってきてない.
何か手続きとかで大変なのかな.
私は外の寒さを予想し,マフラーに顔をうずくめ
玄関の扉を開ける.
ヒュ,と息を吸い込んだ瞬間.
寒さで思わず家に戻ってしまう.
あれ,冬ってこんなに寒いものだっけ.
昨日はもっと暖かかったのに.
________学校に行かなきゃ
震える手をまたドアノブに起き,
再び開けようとする.
すると,後ろから焦った様子で弟がやってきた.
私の冷たい手は,温かな弟の手によって
リビングへとひかれていく.
そこには,珍しくニュース番組.
『______お伝えします.』
『現在,
東日本全域で低音警報が出ている件について,
専門家から発表がありました.』
『詳しく読み上げていきます.』
『今現在,東日本は非常に危険な寒さに
覆われています.原因は解明中ですが,
怪我人も出ている他,死者も出ています.』
『私たちでも何と表すのが正解なのか,
今も思考中です.ただ,一つ言えることは____』
『凍ってしまった,ということです.』
『来るはずだった春はまだ来ません.』
もうこないんじゃないの
『すぐ原因を解明します.』
できないんじゃないの
『必ず暖かくして______』
あなたは何もしなくても温かいんじゃないの
______あぁ,こうして日本は終わっていくんだ.
どこかで見たことある,
世界はもう一度凍るってこと.
もしかしたらそれは,今からなのかも______













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。