第7話

希望と期待 前編
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2024/11/25 08:00 更新
(なまえ)
あなた
総司さんの分からず屋……
昨夜から朝日が出るまで縁側に一人座っていた
父が明日来るというのは迎えに来る
という意味だったのだろうと
私の中で朝日が昇る間に諦めがついた
どうにでもなってしまえ。と
壬生浪士さん達は私の事を気にかけてくれたが
その人達は稽古をしていた
昨夜は近くのそば屋さんに行きお腹を満たしたらしく
それに関しては私情でご飯を出せなく申し訳無かった

縁側からぼーっと稽古を眺めるが
総司さんの姿は無かった
にお
にお
あなたさん?
とにおくんが背後から声を掛けてきた
(なまえ)
あなた
どうしたの?
にお
にお
帰るんですか?
(なまえ)
あなた
うん、帰るよ
にお
にお
江戸から皆さんと来たと
最初は思っていて…!
(なまえ)
あなた
あはは、違うよ
(なまえ)
あなた
縁談が嫌で京でひっそりと
暮らそうと思った所
(なまえ)
あなた
…総司さんが拾ってくれたんだよ
にお
にお
その!…沖田さんに会わないんですか?
(なまえ)
あなた
うん、今は会いたくないから。
(なまえ)
あなた
けど…
(なまえ)
あなた
これ渡してくれないかな
におくんに渡したのは尺牘の一通
にお
にお
じゃあ迎え来たら見送りますね…
(なまえ)
あなた
ありがとう
こんな時でもにおくんの周りを良く見ている事に
感心を受けながらも
少しでもこの時間が終わらないように
祈ってたがそれは早々に絶えた
.
さあ、帰るぞ
片手に収まりきる荷物を持ち
父の後ろを歩く
藤堂平助
藤堂平助
あなたちゃん!
(なまえ)
あなた
あ、藤堂さん
(なまえ)
あなた
ご飯などは当分の間八木さんが
してくれるらしいので
(なまえ)
あなた
安心ですよ
山南敬助
山南敬助
あなた、何かあったら
と此処の住所が書かれた紙切れを渡された
(なまえ)
あなた
分かりました
拾ってくださってありがとう
(なまえ)
あなた
山南さん
と言い背を向け立派な門を通り抜けた
にお
にお
あなたさんー待ってますからね!
.
早馬に乗って加賀に行くからな
(なまえ)
あなた
早馬は緊急の時だけじゃ、?
.
向こうが金を出してまで
来させたいのだろう
.
早く後主を取り安心したいらしい
(なまえ)
あなた
…じゃあ私は使い捨て?
急に現実味を帯びてきていた
問いかけたのに父からは何も返答が無い
返事に期待をするのを辞め、一人呟く
(なまえ)
あなた
総司さん止めてくれないかな
(なまえ)
あなた
好きで居てくれたら…
と京の町が遠退いていくのをただ眺める事しか
今の私にはそれが精一杯だった

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