昨夜から朝日が出るまで縁側に一人座っていた
父が明日来るというのは迎えに来る
という意味だったのだろうと
私の中で朝日が昇る間に諦めがついた
どうにでもなってしまえ。と
壬生浪士さん達は私の事を気にかけてくれたが
その人達は稽古をしていた
昨夜は近くのそば屋さんに行きお腹を満たしたらしく
それに関しては私情でご飯を出せなく申し訳無かった
縁側からぼーっと稽古を眺めるが
総司さんの姿は無かった
とにおくんが背後から声を掛けてきた
におくんに渡したのは尺牘の一通
こんな時でもにおくんの周りを良く見ている事に
感心を受けながらも
少しでもこの時間が終わらないように
祈ってたがそれは早々に絶えた
片手に収まりきる荷物を持ち
父の後ろを歩く
と此処の住所が書かれた紙切れを渡された
と言い背を向け立派な門を通り抜けた
急に現実味を帯びてきていた
問いかけたのに父からは何も返答が無い
返事に期待をするのを辞め、一人呟く
と京の町が遠退いていくのをただ眺める事しか
今の私にはそれが精一杯だった
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!