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第8話

_第七話_観察_
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2026/07/19 11:21 更新










剣持先輩と別れた帰り道。








なんだか妙にもやもやするから、図書館に寄ることにした。






















課題で必要な本と、あとは趣味用で借りる本と…。







図書館に置かれている端末で欲しい本を検索し、本の場所を印刷してもらった。








あなた
…えっと、G列の122……








…あった、けど……











あなた
…高






7段ある本棚の一番上。




身長が154㎝しかない私には到底届かない高さだった。










台を取りに行くしかない、そう思った時、本がすっと抜き取られた。




…同じ高校の生徒のような袖が見えた気がする。






















kgm
こちらでよろしかったですか?














はっと声のした左を向くと、本を私に差し出している男の人がいた。
















あなた
……加賀美、先輩…?
kgm
よかったです、忘れられていたらどうしようかと。






ふわりと礼儀正しく微笑む加賀美先輩。









……また会った。ROF-MAOの一人に。







あなた
…ありがとうございます。




さっと本を受け取り、そそくさとその場を離れた。






kgm
どういたしまして。






そうやって加賀美先輩もどこかへ歩き出し、私に関わってこようとはしなかった。









…正直、もっと何か言われると思って身構えていた自分がいる。





「仲良くしましょう」とか、「この前はどうも」、とか。


そんなことを考えてしまっている自分を振り払い、椅子に座って本を開いた。










✣✦⊷ーーーーー⊶✦✣















数分後、課題のページをメモしていると、近くに誰かが座った。













顔を上げて見ると、加賀美先輩が本を読んでいた。






私に声をかけることもなく、黙々と。









それが、なんだか居心地がよかった。












✣✦⊷ーーーーー⊶✦✣

















しばらくして。







私が本を直すために立ち上がると、一冊の本が落ちて転がってしまった。





拾おうとしゃがんだ時、加賀美先輩が私より早く行動して、本を拾い上げてくれた。












kgm
失礼。







本についたほこりを軽く払ったとき、本のタイトルに目が留まる。









kgm
…「高校生からの法律入門」…?
あなた
…あ、それは、っ…



kgm
…法律、勉強されてるんですか?







本を私に手渡した後、ボソッと訪ねてきた。










あなた
あ、はい…
弁護士になりたくて。
kgm
すてきな目標ですね。
応援しています。








加賀美先輩は自然な笑顔を浮かべ、私を見ている。















____ふと、口に出てしまった。







あなた
…どうして、





持っている本をぎゅっと握る。








あなた
私、この前「仲良くできない」って
みなさんを拒絶したのに
あなた
私に優しく…?






加賀美先輩は少しだけ目を丸くし、それからふっとほほ笑む。











kgm
…ええ、
言われましたね。
あなた
なのにっ___






kgm
困っている方がいたら手を貸す。
当たり前のことですから。
kgm
それと、
仲が良いかどうかは別です。



あなた
あ…






その言葉に、胸が少しだけざわついた。









kgm
無理に仲良くしていただく必要はありませんし、
私達も無理に距離を縮める予定はありません。
kgm
ですが、同じ学校の生徒として
お困りでしたらいつでも頼ってください。





そう言って加賀美先輩は立ち上がる。







kgm
では。





持っていた本を棚に戻し、図書館を出ていった。











机に向き直ると、一つの飴とメモが置いてあった。























         ” 勉強頑張ってください 
             いつでも応援しています ”
























あなた
…加賀美、先輩…




飴の袋を破いて口に放り込む。




口の中で転がすと、ほんのりミルクの甘い香りが広がった。









……母のまとっていた香りのような…







その時、母の声が脳内に響く。











     『 誰も見ていないところで、丁寧にすることを心がけて。
             困っている人には優しくする。情けは人の為ならず、よ 』




あなた
違う。




私は首を振り、飴を転がすスピードを速めた。








あなた
…たまたま。
あなた
そういう人だっただけ。




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