L . side
... 此処は何処だろう
ないこさんと、りうら裙は?
無数の手によって俺は
扉の向こう側へと渡ってしまった
扉は別世界へと繋がっているのかもしれない
床は 2cm ほどの高さの水で満たされ
周りに何も無い、広い空間だから
... 否、何も無いは言いすぎた
ただ一つだけ
「 列車が通っている 」
俺が入ってきた扉は既に固く閉められ
押しても引いても、びくともしなかった
ここには
目がたくさんある生物
絵に描いたような歪な形をした生物
色が到底人間には見えない生物など
人間じゃない
多分、妖怪とか幽霊とか
そういう類のものがいる場所
... 此処に来たってことは
他の生徒たちみたいに、俺も死ぬ?
俺も、あのように
人間の原型を失ってしまうのだろうか
それが少しだけ、怖かった
急に声をかけられ
びくっと体が震える
俺は反抗するのが怖くて
何されるかわからなくて
言われるがまま列車に乗った
中は意外と広く、ところどころ空いている感じ
俺は一つの席に座り、じっと窓の外を見る
重力があるのかないのか
外には色々なものが浮いている
でも、俺には重力が働いている
なんだか、不思議な場所だなぁ
俺の推測だと此処は
死者が訪れる場所
生者が訪れない、訪れられない場所
ないこさんは 出会った当初に言っていた
「 死者は生者を喰らう 」 と
俺はまだ、生者だから
死者にバレると死ぬ
喰われる
俺の周りには先程の声で
多くの怪異が集まってきた
... 死ぬ?
死にたいとは思ったことがある
でも、実際に死にそうになると怖くて
死にたくないなんて思ってしまって
ほんと ... ッ
自分勝手だなぁ ... ッ
もう 諦めそうになった時
急ブレーキがかかって、列車がゆっくり止まった
皆が慌てる
心配する
怯える
そんな混沌な状況になったとき
車両間の連結部分から
俺と同じ、人型の姿があらわれた
一目見るだけでわかった
彼はないこさんと同じ、怪異だと














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!