ドサッ
パン ッッ
ガチャ
バ タ ン ッ
ガチャンッ🔒
サアアア ....
てくてく
私は 要らなかった …っ
もう……いいや
だって…だって私は
わたしが生きるために
あの人に生きててほしかったから
でも
私がいると
あの人の瓶は こわれちゃう
きれいだなぁ…
透明な瓶は
われてないけど なにも入ってない……
てくてくてく
わたしが話しかけると
きれいな瓶のおねいさんは
びっくりしていた
だけどさっきまでの顔とはちがくて
おねいさんの顔はかなしくなくなった 。
わたしも
おねいさんがかなしくなくなったから
うれしい気持ちであふれた
そこで気がついたの
私もかなしくなくなってる って
そうやって やさしくきいてくれる
おねいさんを見て
わたしは心から
・
・
おねいさんの話は
少しだけむずかしかった 。
でも
わたしも わかるところがあった
ヨコからちょっとだけ見える
おねいさんの顔は
…どういう気持ちなのか
わからなかった
ただ 少し
やっぱり さみしそうで
わたしは とってもきれいな瓶がわれないように
やさしく
あおちゃんを抱きしめた
言わなくちゃ
あおちゃんにつたえなくちゃ
そう、わたしも ひつようとされてないから …
だけど
その声は
たしかに
” おにいちゃん ” の声だったから
おにいちゃんのところに行くって
おかあさんがたしか言ってた………
会えなくなるのはさみしいけど
あおちゃんは
わすれないから
そう言って
あおちゃんからはなれようとしたとき
ぱしっ
からだが後ろにかたむいたの
だから
ふりむいたら
おこったような顔をしたあおちゃんがいて
よびかけてみても
反応はなくって
そしたらもう一回
わたしを呼ぶ声がした
どうしよう……
わたし、いかなくちゃいけないけど……
ほんとうのこと言うと
行きたくないの
あおちゃんのお話は
どこか安心できたから
私
心から
あおちゃんの瓶が キラキラで埋まるといいなって
思えたんだよ
そのとき
あおちゃんの
そんな声がきこえた
そして
わたしの目の前はまっくらになって
何も考えられなくなった
アンケート
ログインしてない方用
☆
20%
♡
80%
投票数: 97票
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。