第4話 三勝戦ゲーム
「それじゃあ、三勝戦ゲームのルールを説明するね。」
第一回戦、変速人狼ゲームはある程度予測のできるゲーム名だったが、このゲームは全く予測できない。
「まぁ、堅苦しく考えないで。君たちがやるのは、一対一の三つのゲーム。それでの一勝を一点として、より多くの点をとった方の勝ちだよ。あ、あと順番は僕らの方で決めてるからね」
なるほど、意外と単純なゲームだな。
「あ!!ごめん一つ言い忘れてたルールがあるよ。それは、1回だけ代打ちを宣言することが出来るルール。代打ちを宣言すると、そのタイミングで、宣言した人がいまゲームのやってる人の代わりにゲームをすることができるルール。これをうまく利用してね」
なるほど。これを利用し、ゲームが得意でない人のゲームをカバーするのか。
「それじゃあ、三勝戦ゲームを始めるよ。三勝戦ゲーム一回戦は黒瀬遥VS白銀蒼。それじゃあ、1時間後モニターに映す指定の場所に来てね」
またモニターが途切れ、地図と案内が出てきた。すると、ひより姉さんが俺と黒瀬にある提案する。
「このゲーム、頑張って引き分けにできない?」
「引き分けか、引き分ければどちらも上がれるかもしれないな。それに、仮に引き分けでどちらも詰むようなことがあれば、運営は必ず途中でも告知するはずだ。やってみよう」
俺はその提案を飲む。しかし、黒瀬が一言。
「わかんない!!なんで裏切り者として場をかき乱してた私にも同じように提案できんの?」
なんだ、そんなことか。俺は返事をする。
「出会って間もない俺がいうのもアレだが、お前らしく無いぞ黒瀬。お前だって、裏切り者という役職は与えられたものだろ。それに初対面の奴らがほとんどの俺らに絆ごっこをしろってのもおかしな話だ。」
「そんな、それがわかっててもできるものじゃないでしょ!!」
「ひより姉さんは優しいからな。俺もそれに影響された。どんなクズだろうと捨てたもんじゃないと思ってる。ま、俺的にお前はいいやつだと思うけどな」
とりあえず、ゲームに向けて休息するため、食料の置いてある部屋に行こうと思い、その旨を伝えて俺はその場をさるのだった。
私、黒瀬遥は人生で二度目の恋に落ちてしまった。元彼にも、さっきの迅くんのように優しくされたことはないと思う。考えてると、ひよりちゃんが話しかけてきたことに気づかなかった。
「黒瀬さん、迅くんが言ってたこと、私も同じだと思います。黒瀬さんは絶対悪い人じゃない。これは間違いないと思います。」
そんなことを言ってくれたのは、迅くんとひよりちゃんだけだ。ひよりちゃんになら、全部ぶちまけてもいい。そんな気がした。
「私ね、元彼に借金の連帯保証人になってくれって言われてさ、それで闇金に手を出した彼氏が逃げ出しちゃって……。今思えば奴らグルだったんだよ。私から金をむしり取るためにね。それから、もう誰も信じられなくなっちゃった。こんな奇抜な格好してるのも、人が勝手に遠ざかってくれるからなんだよね」
「すみません……私、もうゲームとかなんとかで頭がいっぱいで、他の人の服装まで気が回りませんでした……」
なんで優しいのだろう。普通はゴスロリ系の格好をしていれば、いやでもそれを意識してしまうだろうに。いくら状況が特殊とはいえ、格好が奇抜なことにさえ気づかないなんて……。
「あんたなら、いい恋のライバルになりそうな気がするよ」
そんなことを言うと、ひよりちゃんは顔を真っ赤にして取り乱す。
「え、え?わ、わ、私好きな人なんていませんよ!?そんな人がいるわけな……なな、ないじゃないですか!!」
なんてバレバレの演技なのだろう。自分でも演技の下手さに気づいてないのだろうか。
「私もね、ついさっき迅くんのこと好きになっちゃった。」
「私の方が、長く迅くんのことが好きだったんです。絶対負けませんから!!」
「さっきまで好きな人いないって言ってた人はどこに行っちゃったのやら。」
するとひよりちゃんは、あっっと気づいたような顔をして頬を赤らめる。
「ひよりちゃんと迅くんのためにも、次のゲーム引き分けに持ち込んで負担を減らしてみせるから。」
私は、恩義を感じる彼らのために、一番難しい引き分け担当を引き受けることにした。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!