加賀美side
正直私があなたさんにあってもいいのかという不安は沢山あった
寝言で名前を言われたからと言って会う資格など私には無いのではないか、と心の中ではひっそりと葛藤していた
だけどその不安はあなたさんと実際に対面した時に吹き飛んだ
少しだけ、
ほんの少しだけ微笑んでくれたから
そう言って私が笑いかければ
と言って笑ってくれる
あなたside
それから自分は過去の話をした。
親がいなくなったこと
虐められていたネスを助けたこと
自分もいじめを受けていたこと
虐待を受けていたこと
人間不信だったこと
ぜんぶ、ぜんぶ、ゆっくり話した
その間ハヤトくんは静かに頷きながら自分の頭や背中を撫でてくてた
全部話し終わった後に聞いた。
〝じぶんって、汚いでしょ?〟
その言葉が嘘だとしてもただただ嬉しかった
そう言って抱きしめられた
心が暖かくなった
目の奥が痛くなった
視界が不確かになった
少し揺れている気もする
瞬きをしたら零れてしまいそう
今度は目を合わせて言われた
すとんっ
と心の中の穴に落ちる音がした気がする
そう言って微笑んでくれた












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!