第32話

宴会の準備を致しましょう【瀬名泉】
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2020/12/08 12:00
「あ、姫。やっと来たのぉ?」

向かった先には、もう1人の騎士が待っていた。


「まったく。こっちも暇じゃないんだけどぉ〜?」


騎士は顔を歪めながらもテキパキと準備を整えていく。

「まぁあいいや。ほら、そこに座りなよ。綺麗にしてあげるからさぁ」


そう言って上品なスツールにエスコートする。


「姫って綺麗な顔してるよねぇ。もちろん、俺には及ばないけど。化粧すれば、もっと可愛くなるんだからねぇ?」

騎士は先程とは打って変わって、機嫌が良さそうにメイクを施していく。


「そういえばだけど。そのドレス、れおくんが選んだの?」


騎士の問いに姫が頷くと、騎士はふぅん、と小さく呟く。

「あいつ、いいセンスしてるじゃん。ドレス、姫に似合ってる」


騎士は改めてドレスを見て、満足気に頷く。


「あはは、照れてるの?ま、じっとしててよねぇ。もうすぐ終わるからさぁ」


そう言って騎士は最後の仕上げに取り掛かる。

メイクを終え、道具を置くと姫の手を取って立つように促す。


「うん、俺がメイクしたんだからばっちり可愛いよ。でも、変な虫がつかないか不安だなぁ?」


騎士は少し考えるような仕草をするが、直ぐに微笑んで


「ほら、まだ準備終わってないんでしょ?さっさと終わらせてきなよねぇ?」

そう言って、頭を優しく撫でた。

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