rk side
小さい頃は幸せだった
確かに自分に存在価値があって
そうと思えるくらい愛して貰えて
親と同じ白い羽根と輝く輪を持っていて
毎日愛する幸せや思いやりの素晴らしさを教えて貰えて
毎日は今日の続きで
尽きることのない幸せがずっと与え続けられるって信じてた
妹が生まれた
生まれながらに愛嬌があって
模範的な天使像としてhnはお手本になった
天使にとって髪と眼の色はとても大事なもので
愛を象徴する赤又はそれに類する色が上位存在の証だった
hnは赤い眼に桃色の髪を持って生まれた
対する俺の髪は柔らかいグレージュ
眼の色は深い青
どちらが愛されるかは誰の眼からも明らかだった
天使とは残酷なもので
見た目によって天を追われる者も多い
かくいう俺もその1人で
15の誕生日に天から堕ちた
上手くいけば人間に成れるよ、と仲間は言った
どうかあの人と同じ様に人間に、なんて思いながら
意識を手放した
激しく痛む頭を押さえながら躰を起こす
そのついでと頭上を探る
輪が有る
焦って背中を触る
羽根もある
しかしその羽根は昏く染まっていた
絶望と困惑で頭が働かない
周りを見渡すと
おどろおどろしい植物
赤い空
1番来たくなかった魔界だった
後ろを振り返る
そこに居たのは紛れもない獣人、
天使を食べることのある生き物だった
あまりの恐怖に情けない音が喉から溢れる
やだ、怖い、食べられる、怖い
そう言って首元を叩かれる
あ、食われるんだ
そう思った時には俺の意識はブラックアウトしていた
srimr side
ぐっすり眠っている堕天使君
ついその場で連れ帰ってしまったけどやっぱり可愛い
堕天使の食べるものとか生活習慣はわからないから友達に聞いてみよう
その友達も数年前に堕天使を保護していた
それにしてもこの子はどんな生活をしてきたのか、
本来魔界まで天使が堕ちる事はない
だからあり得るのは誘拐か身投げ
今回は周りに誰も居なかったから後者のパターンらしい
うっすらと残る目元のくまと赤みが天界での生活を暗示していた
どうやらお目覚めらしい
いつか満開の笑顔が見れますように、














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。