第10話

ierk 今際の天使
90
2026/04/26 09:13 更新
ie side



大丈夫、大丈夫。そう自分に言い聞かせる

絶え間なく吹く風は冷たくて。

都会の喧騒に辛うじて飲まれなかったリゲルを見つめて。

所謂タワマンの屋上から飛び降りた、筈だった
rk
rk
始めまして!
ie
ie
...は?
rk
rk
俺は君を担当する天使です!
ie
ie
...ん~??
rk
rk
早速何だけど、
ie
ie
待って?
rk
rk
どうかした?
ie
ie
俺、何か未だ生きてるっぽい
rk
rk
...え?
ie
ie
や、今幽体離脱してるみたいな感じやん
rk
rk
うん
ie
ie
未だこの体の感覚有るんだけど
rk
rk
はい??
そう、50cm程下で眠っている「俺」には未だ感覚が残っていた
rk
rk
あ~、そのパターンね
rk
rk
良かったやん、青年。未だ生きられんで
ie
ie
え~
rk
rk
まあまあ じゃ、又ね~
ie
ie
ちょっと待って
rk
rk
ん?
ie
ie
あんた、結局誰?
rk
rk
あ~、まあ一個だけね
rk
rk
君の昔の友達だよ
ie
ie
、、、、は
rk
rk
じゃあね。起きたら戻ってる筈よ
ie
ie
...
何も言えない俺を尻目に、天使は消えていった
あれから数日後、未だ俺の横には天使が居た。
ie
ie
もうそろそろ帰ったら
rk
rk
何か帰れんのよな、、
rk
rk
御上様が許してくれんねん
ie
ie
ほーん
rk
rk
まあieに人間界の事教えて貰えるしええけど
ie
ie
はいはい、
どうやら日本の事を詳しく知らなかったらしい天使は、
俺についてきて色々な事も聞くようになった
rk
rk
俺、人間の1番の発明はクレープやと思うねん
ie
ie
んなもんお前が人間の頃にもあったやろ
段々、此奴が元は人間だということを受け入れてきたから、こういう事も言ってみる
rk
rk
俺、結構早く死んだからな~
ie
ie
...
rk
rk
んな固まらんといてよ
どうやら失言だったらしい。

気まずそうにする俺に、天使は薄く微笑んだ。
rk
rk
別に珍しい事ちゃうよ
rk
rk
此方人間界には家庭環境が悪い人間なんてめっちゃおるし
そう言われても、どうやら友人だったらしいから複雑だ。
ie
ie
...お前、何歳に死んだん
rk
rk
えっとね~、5かな?
そう言ってお気楽な笑みを浮かべる天使は、何処か哀しげだった
今日も天使がついてくる。
rk
rk
ねね、クレープ食べよ
ie
ie
はいはい、
余程気を抜いていたのか、俺は右から飛び出して来る車に気付かなかった。
rk
rk
ヒュッ
ie
ie
あっ
当然、気づいた時にはもう手遅れで。

俺の体は宙を舞った
ie
ie
(あー、痛って)
2度目?の死もやっぱり楽じゃなくて。

天使は5歳でこうなったのか、なんて思う
rk
rk
やだッ、起きて!!
ie
ie
、何で焦ってんだよ..
rk
rk
だってッ
ie
ie
思い出せなくて御免
そう言って視界が昏くなっていく。

今度はちゃんと天国に連れてってくれるかな、
rk side



既に光が消えた瞳を覗く。

いつかはこうなる事なんて解ってたのにな、

きっと後数分で愛しい貴方は眼を覚ますだろう。

完全な魂だけの剥き出しの状態では記憶は引き継がれない。

俺は、単なる天使に逆戻りだ。
rk
rk
名前、伝えなきゃな
忌々しいこの名はきっとまっさらなieの記憶に残り続けるのだろう。

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