ie side
大丈夫、大丈夫。そう自分に言い聞かせる
絶え間なく吹く風は冷たくて。
都会の喧騒に辛うじて飲まれなかったリゲルを見つめて。
所謂タワマンの屋上から飛び降りた、筈だった
そう、50cm程下で眠っている「俺」には未だ感覚が残っていた
何も言えない俺を尻目に、天使は消えていった
あれから数日後、未だ俺の横には天使が居た。
どうやら日本の事を詳しく知らなかったらしい天使は、
俺についてきて色々な事も聞くようになった
段々、此奴が元は人間だということを受け入れてきたから、こういう事も言ってみる
どうやら失言だったらしい。
気まずそうにする俺に、天使は薄く微笑んだ。
そう言われても、どうやら友人だったらしいから複雑だ。
そう言ってお気楽な笑みを浮かべる天使は、何処か哀しげだった
今日も天使がついてくる。
余程気を抜いていたのか、俺は右から飛び出して来る車に気付かなかった。
当然、気づいた時にはもう手遅れで。
俺の体は宙を舞った
2度目?の死もやっぱり楽じゃなくて。
天使は5歳でこうなったのか、なんて思う
そう言って視界が昏くなっていく。
今度はちゃんと天国に連れてってくれるかな、
rk side
既に光が消えた瞳を覗く。
いつかはこうなる事なんて解ってたのにな、
きっと後数分で愛しい貴方は眼を覚ますだろう。
完全な魂だけの剥き出しの状態では記憶は引き継がれない。
俺は、単なる天使に逆戻りだ。
忌々しいこの名はきっとまっさらなieの記憶に残り続けるのだろう。














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!