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第1話

コンビニと害獣。
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2026/04/09 12:43 更新
「はぁっ、はぁっ、!」

男は山の中を走っていた。
後ろから感じる寒い気配を振り切るように、無我夢中で走っていた。

彼の名は不運モブ宏。Y大学の理工学部の一回生である。
サークルの先輩達のノリにいつのまにか自分が入っており、大学の近くの山へと肝試しに行くこととなった。
肝試しの途中で先輩の1人が吐き、もう1人は転び、もう1人は明日の歯医者の準備があるから、とさっさと山を下っていった。
先輩3人と自分だけだったのだが、途中忘れ物をして1人だけ残っていたのだった。

そして今がこれである。

つい、好奇心で後ろの様子を伺おうとした。首を60度ぐらいに捻り、目だけを動かして視界に入れようとした。が、その時。
「うあっ、!」
大木の根元につまずき、体が地面に叩きつけられる。
パニックになって、地面を蹴るようにして飛び上がった。爪の中に湿った土が入り込む。

クソが。なんでこうなってんだよ…!!

右足が腫れてる。地面を踏み込むたびに鈍痛が走る。
もうすぐこの山を抜けれる。そしたらスマホも少しは電波が良くなるだろう。

山を抜け、必死に真夜中の静かな街を走った。せめて、何か店とかに逃げ込んで…
あたりを見回すと、青白い人工的な光が目に入った。

そこは、コンビニエンスストアだった。黄色、青、緑を基調にした大手企業のコンビニストア。
藁をもすがる気持ちでそのコンビニへと入った。


「らっしゃっせーーー。店内全品訳ありの半額となっておりまーす。」
軽快な入店音に合わない気だるげな声が響いた。

「ちょ、ちょっとあの!!助けてください、なんかそこの山に変なやつが…!」
切羽詰まる表情で店員に駆け寄った。店内には店員と俺しかおらず、年は同じか少し下ぐらい。そう見えるのに、俺の表情に随分と慣れた顔をしてる。
「あー…この辺りよくいるんですね。」
「は?」
「害獣がよくうろついてるんですよねーここ。83円が一点、」
「いや、害獣どころじゃねぇよ!」
「注意がきの看板とかあるはずですけどね。見かけませんでした?168円が一点。」
「んなもん無視するのが普通だろ。肝試しだぞ?」
「無視しないのが普通なんだよ。勝手に袋おつけしますね。」
「あ、どうぞどうぞ…ってそれ誰の買い物だよ」
「合計で256円になります。」
「俺の方を向いてんじゃねぇよ。」
「……」
「…電子マネーで。」

消化しきれない気持ちでコンビニを出て、小走りに駅へと向かう。終電を逃す前にどうにどうにかして間に合わなければ!

「ねぇひーく〜ん♡みぃぴまだ帰りたくなぁい〜♡」
「え〜〜??しゃぁねぇなぁ〜〜??まぁ?みぃぴが?言うなら?いやと言わないわけにも?いかないし?」
「ひーくんすき♡別れよ♡」
「まぁ?みぃぴが言うなら?いいよ??」
「やったぁ〜♡ひーくんに対してもう私無感情♡」
「俺も?一緒だし?」
どういうことだよ
電車内で嵐のような別れ方をするカップルをガン見しながら、袋の中を探った。
水と桃の缶詰。ご丁寧にフォークも入っている。
果物なんていつぶりかな、

冷たいペットボトルの水を手の中で転がしながら、窓の外の青白い光を見つめていた。

「俺がきて3人目のお客さんだったなぁ。無事帰れるといいんだけどな。」
俺はバックヤードの中へと入り、穴だらけになった自分のロッカーを開ける。その直後。

バァンッ!

バックヤードに銃声が響き渡った。
続け

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