XXXX年、とある村に、後に『星姫』と呼ばれる少女が生まれた。
星姫は、歌を歌い、楽器を奏でた。その音色は人々の心を救い、照らした…。
それだけではなかった。
彼女の歌は、音色は、星の光を呼び起こした。
人々は初めて見る星の光と、その美しさに圧倒された。
彼女はまるで神でもあるかのように崇め称えられた。
そんなある日、彼女は突如として姿を消した。
『私も一つの星、これからは好きなように輝いていこうと思う』
そんな書き置きだけを遺して。
人々は当然悲しんだ。しかし、彼女が遺した空の奇跡を忘れるなんてことは彼らには出来なかった。
なんとか星の光を保つため…星姫が呼び起こした軌跡の光を失わないようにするため、人々は音楽を奏で始めた。
彼らの星の光を望む気持ち、そして星に感謝する気持ち…。それらは音楽に込められ、確かに星に届いていた。
星姫がいなくなっても、星は光り輝き続けていた。
暗い暗い夜空を照らす、光となって。
XXXX年、異変が起き始めた。星の光が、少しずつ弱くなっていったのだ。
その年、人々が住む地球では、ついに最悪の歴史が幕を開けようとしていた。
そう、世界中を巻き込む、あまりにも大きな戦争だ。
人々は今を生きようと必死になった。
そんな明日どうなるかもわからないような世界で…星の光を、音楽を気軽に奏でていられるほど彼らは精神的に強くなかった。
人々はどんどん音楽を忘れ、星への感謝、敬意を忘れていった。
そうして、完全に星の存在が彼らのなかから消え失せた時…彼らの心と共鳴するかのように、星は光を失った。
雲一つない夜空に光は存在しなくなってしまった。
大戦が終わり、人々が夜空に輝く星の存在を思い出したときには、もう何もかもが遅かった。
それから、人々の世界はさらに荒れるようになった。
星の光という大きな存在を失ったダメージは、想像の何倍以上もの影響を及ぼしたのだ。
星の光を呼び起こそうとするもの、神は人間を見放したのだと絶望する人、そんな人達を嘲笑う人…。
星姫が星を呼び起こした頃の世界とは真反対とも言えるような、そんなあまりにも暗く、悲しい世界。
今の地球は、そんな場所だ。
もう、人間にはどうしようもないのかもしれない。
もう、遅すぎたのかもしれない。
今更嘆いたって、どうしようもないのかもしれない。
…そんなわけがない、そんなふうに思いたくない。
だって、だって…星は確かに存在していたんだ、この夜空に。
一度は、星を呼び起こすことが出来たんだ、星姫には出来たんだ。なら…
今を生きるわたす達にも、可能性はあるじゃないか。
星を呼び起こせたら、この世界も少しは変わるかもしれない。
そんな一縷の望みにかけて、今日もわたすは楽器を奏でる。
…もう一度、星を取り戻すため。
わたすは…”星の調律師”として…この夜空に、再び光を灯してみせるんだ。
はいお久しぶりですミランです、とある人に書けって言われたので書きました。
さて、本格的にリスタートということで頑張っていきますかぁ()
それではまた次回、おさらば〜













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!