第11話

 紅緋
331
2026/03/14 01:00 更新


んー、っ…” ( 伸

 昼、目が覚めるとお兄さんが目と鼻の先にいた。
ッぉ”わッ、?!
んな驚かんでも、 ( 笑

 お兄さんはふっと笑って俺の頭を撫でる。
ぁ、そーだ
、?

 俺に背を向け出ていこうとしたお兄さんがふと振り返る。



今日、靴買いに行くけぇ




ぅ、わ…すっご、
ぉー…俺も靴屋とか久しぶり
スニーカーでい?
ん、 ( 頷
スニーカーでも色々あんな、
好きな色とかある?
んー………、 ( 悩
、、あか、?
赤?
俺と同じ、 ( 笑

 お兄さんのインナーが赤だったから、とかは、

 今の俺には言えなかった。
ピンクも好き、だけど
赤とピンクな、おっけ

 お兄さんが辺りをきょろきょろとしている間に、

 俺も棚を見上げる。

 見たこともないような数の靴が、俺の視界に飛び込む。

 
 お兄さんと出会ってから、俺は沢山の”初めて”を経験した。


 温かいコーヒー缶。
 
 カップラーメン。

 靴屋。


 …1人じゃない夜。

よかった、

 お兄さんと出会えて。

 そんなことを独りごちていると、
なー、これとかど?
っん、?

 手に一足の靴を持ったお兄さんが話しかけてくる。
ゎ、

 その靴は黒色でありながら、

 横に赤とピンクのラインが入っていた。
…なかなかいいだろ、 ( 笑

 じっとそれを見つめる俺に、可笑しそうに話すお兄さん。
( こくこくッ
じゃ、ちょっと待ってろ ( 撫

 レジの方へ向かっていったお兄さんを見送り、

 近くにあった椅子にぼふっと腰掛ける。
……ふふ、

 俺の足元は、ぶかぶかなサンダル。

 相変わらず履きにくいけど、これはこれで結構気に入っていた。


 そんなことを考えながら足をぶらぶらさせていると、

 お兄さんが帰ってくる。
 
ん、お待たせ
ほい、
…!

 差し出された一足の靴。

 又もやじっとそれを見つめていると、上から声が降ってくる。
……履かせろ、的な? ( 笑
ぇ、ちが、っ…?!

 どう解釈されたのか分からないが、

 お兄さんは俺の足元に跪いてゆっくりとサンダルに手をかける。
足元失礼しますねお姫様ー ( 笑
…お姫様じゃないし、、ッ/
はいはい

 お兄さんの手つきは何処までも優しくて、
 
 壊れ物を扱うかのようだった。
ぉ、ジャストフィット
…シンデレラじゃん
シンデレラ?
そ、知らねえ?

 何となく名前だけ聞いたことはあるものの、

 詳しくは分からなかったため首を縦に振った。
んー……まぁ、


…俺と結婚してください、ってとこかな


………
へ、
ぁ、シンデレラの話な?
っ、わ…かってるし、//
ぇ、なに照れてる?
照れてないッ!!!
そーかそーか、俺のイケメンさに惚れちゃったかー…

 あちゃーなんて言ってから俺の靴を履かせ終わると、

 すくっと立ち上がって手を差し伸べてくる。
…帰りますよお姫様、? ( 笑
~ッ、、/
姫じゃないっつーの、!!

 何だか気恥ずかしくなって、

 お兄さんの手を引っ張る形で歩いていく。




 繋がれた右手は変わらず温かく、

 後ろから聞こえてくる笑い声が、俺を包んだ。



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