私はあなた
父は大企業の社長、母は女優
私はそんな両親のもとに生まれた
自分で言うのもなんだけど、私はいわゆる「お嬢様」ってやつだ
そう、私はなんでも持っている
お金も山ほどある
トモダチもよってくる
母に似たのか優れた容姿もある
でも
何かが足りない
私は今日もそんな気持ちで朝を迎える
リリリ リリリ
枕元の目覚ましがなると同時にドアの外からノックが聞こえた
私は息を吐くとメイドに返事をした
メイドはチラリと私の方を見たあとクルリと向きを変え部屋から出て行った
私は今日も自然的に願ってしまう
下に降りるといつものようにお母さまがあいさつをしてくる
いつもは、それで会話は終わり
でも珍しく今日はお母さまから話題が提供された
それくらいわかっている
お母さまも私が満点以外取らないとはわかっているくせに
お父様はいない
仕事が忙しいからだ
メイドが朝食を運んでくる
私はローストビーフをトーストの上に置き口に運ぶ
・・・・・おいしい
でも、それさえも私にはなにも響かない
静かな部屋に食器のカチャカチャという音だけが響く
家の門をくぐり、外に出るとリムジンが止まっていた
執事がうやうやしく頭を下げてドアを開く
すべるようにリムジンに乗ると音もなく走り出した
今日も学校へ向かう
私はもう一度願ってしまった
みんな死んじゃえばいいのに