あれから、幾年の月日が流れた
世界は大きく変わった
組織の構造も、街の景色も
けれど、" 変わらないもの "もあった。
その日、広い屋上に立つのは、六つ子の兄弟たちと、あなたの下の名前、そしてカラ松
春の終わり
空は高く、雲は穏やかに流れていた
誰かが選んだのではない、自分たちで勝ち取った平和の下
兄弟たちは、それぞれの道を歩みながらも、今日という日に集まっていた
十四松は満面の笑みで空に風船を飛ばしていた
トド松は隣でスマホをいじりながら、軽口を叩いた
一松は背中を向けていたが、手に握られた小さな青い花が風に揺れていた
チョロ松は眼鏡を直しながら、静かに呟く
おそ松は煙草をくわえたまま、夕日を眺めていた
その視線の先──
カラ松とあなたの下の名前は、ふたりきりで手をつないで立っていた
ドレスでも、戦闘服でもなく、ただふつうの服
けれど、その佇まいは" 永遠の約束 "を携えていた
カラ松が、そっと彼女の手を取る
あなたの下の名前は、静かに微笑む
2人が見つめ合い、そっと額を重ねる
風が2人を包み込むように吹き抜け、遠くの海鳴りのように、誰かの拍手が聞こえた気がした
そして──
青薔薇の花束が空へ舞う
それは2人が出会った日から、ずっと心に秘めていたもの
六つ子がふたりを囲むように集まり、にぎやかな笑い声が広がる
だが、あなたの下の名前とカラ松だけには、もう他の音は必要なかった
世界は、ふたりだけのものだったから
そして物語は──
ここで、終わる。
けれど、ふたりの未来は
まだ、始まったばかり。
終幕
──君の命に、永遠を捧ぐ


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。