俺は円堂 あなた。大学2年生21歳。
絶賛講義に遅刻中だ。
俺は走りながらスマホの時間を確認する。
朝イチの講義は9時からなのだが現在8時50分。
俺が全力疾走したとて10分で着くわけがない。
俺は諦めも含めて足を止め、ガラスのショーウィンドウに写る自分を見つめた。
昨日の配信中、俺の推しの乃依くんの兄・雷がいた。
そのせいで気を失って寝た感覚がなく、もともとあった隈がさらに深くなった。
俺は猫背になってパーカーのフードを深く被り直し、ちまちまと歩き始めた。
スマホをぽちぽちしていると、ゲームニュースなどがちらほら。
しかしその中に自分はおらず、出てくるのは「ブラックオニキス」ばかり。
完全な被害妄想を小声で漏らす。(カス)
すると注意散漫。目の前の人とドンとぶつかった。
俺はぶつかった人の顔もみず、(どんな反応をされるか見たくなかったので)走り去った。
またも完全な被害妄想である。
雷side
人とぶつかった。
しかも乃依が止めるのも聞かずに逃げられた。
乃依は文句をたれているが、俺は今の男に見覚えがある。
彼は同じ大学に通っているはずだ。
なぜ折り紙?と疑問に思ったことを思い出す。
確か今日のようなパーカーに、いつもフードを深く被っている。
俺が無言で考えていると、乃依が服の袖をぐっと引っ張っていることに気づいた。
乃依がそう言って見せてきたのは白豹のマスコット。
あとから付けたのだろうか、ピンク色のリボンが付いている。
乃依は今日の朝、少しだけ学校をサボっている。
俺は乃依を見送り、2限目の講義に遅れないように、
…さっきの彼に落とし物を届けられるようにしなければ。
俺はマスコットをリュックへしまい、大学への道を歩き始めた。
※雷は大学1年生設定です
(雷が19歳という情報を見た為)













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!