時計の音が部屋に響く。
息が上がっている。
汗が頬を伝っていた。
俺は顔を覆い、必死に呼吸を整える。
……夢。
ただの夢だ。
そう思った。
ふと、横を見る。
そこに、あなたの姿がない。
布団に手を触れる。
冷たい。
俺はすぐにベッドから降りた。
リビングを見てもいない。
部屋中を探す。
けど、どこにもいねぇ。
その瞬間――
夢の中の映像が蘇る。
『勝己っ…助けてっ……』
胸が締め付けられる。
俺はテーブルに手をつき、その場に立ち尽くした。
――ガチャ。
玄関の扉が開いた。
不思議そうに近づいてくる。
そして、俺の頬に手を当てた。
俺は何も言わず、ただあなたを見つめていた。
次の瞬間。
俺はあなたの腕を掴み抱き寄せた。
突然のことに、あなたが驚いていた。
俺は強く抱きしめる。
離したくなかった。
俺は声が震えながら伝えた。
あなたは何も聞かず、俺を強く抱きしめ返した。
そして、背中をゆっくりとポンポンと叩く。
俺が落ち着いた事が分かり、あなたはゆっくり体を離した
俺は大人しく座った
あなたは洗面所からタオルを持ってきて、俺の顔や首周りを拭いてくれた
あなたは隣に座り俺を真っ直ぐ見つめた
俺は昨日聞いたヴィランからの話を全て話した
数年前の海を割った人物を探していることも
ヴィランはあなたがやったと気づいたことも
団体が見つけ次第、すぐに動くことも
あなたは最後まで静かに聞いていた
あなたは淡々と話し続けた。
俺は頭を抱え、ため息を吐いた
俺がソファーにもたれ掛かると
あなたは俺を抱きしめに来た
俺はあなたの背中に手を回し強く抱きしめた
俺はあなたの温かさに安心した。
俺も更に強くならねぇとな。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!