第253話

現実
121
2026/08/10 09:00 更新
爆豪 勝己
はぁっ…はぁっ…
時計の音が部屋に響く。

息が上がっている。

汗が頬を伝っていた。
爆豪 勝己
…はぁ…っ…


俺は顔を覆い、必死に呼吸を整える。

……夢。

ただの夢だ。

そう思った。

ふと、横を見る。

そこに、あなたの姿がない。
爆豪 勝己
…おいっ
爆豪 勝己
あなた……?


布団に手を触れる。

冷たい。
爆豪 勝己
…っ?!
俺はすぐにベッドから降りた。

リビングを見てもいない。
爆豪 勝己
あなた!


部屋中を探す。

けど、どこにもいねぇ。

その瞬間――

夢の中の映像が蘇る。

『勝己っ…助けてっ……』





爆豪 勝己
やめろ……


胸が締め付けられる。

俺はテーブルに手をつき、その場に立ち尽くした。




















――ガチャ。

玄関の扉が開いた。
夜凪 あなた
…燃えるゴミ出すの忘れてた
夜凪 あなた
間に合ってよかった
夜凪 あなた
…あれ?勝己おはよう
夜凪 あなた
………?
夜凪 あなた
…勝己?


不思議そうに近づいてくる。

そして、俺の頬に手を当てた。


夜凪 あなた
え?!凄い汗だよ?!
夜凪 あなた
部屋暑かった?冷房掛けたんだけど…
夜凪 あなた
シャワー浴びてきたら?風邪ひいちゃうよ?


俺は何も言わず、ただあなたを見つめていた。


夜凪 あなた
勝己???


次の瞬間。

俺はあなたの腕を掴み抱き寄せた。

突然のことに、あなたが驚いていた。
夜凪 あなた
え?勝己??
夜凪 あなた
って!身体冷えてるよ?!大丈夫???
爆豪 勝己
……あなた
夜凪 あなた
ん?

俺は強く抱きしめる。

離したくなかった。

俺は声が震えながら伝えた。


爆豪 勝己
…俺の前から消えないでくれ……頼む
夜凪 あなた
…勝己?
あなたは何も聞かず、俺を強く抱きしめ返した。

そして、背中をゆっくりとポンポンと叩く。
夜凪 あなた
大丈夫。ここに居るよ
夜凪 あなた
どこにも行かない
夜凪 あなた
勝己のそばに居るよ



俺が落ち着いた事が分かり、あなたはゆっくり体を離した


夜凪 あなた
ソファーに座って


俺は大人しく座った


夜凪 あなた
待っててタオル持ってくるね



あなたは洗面所からタオルを持ってきて、俺の顔や首周りを拭いてくれた


夜凪 あなた
汗拭かないと、風邪ひいちゃうよ
夜凪 あなた
……それで何があったの?
夜凪 あなた
隠さず話して


あなたは隣に座り俺を真っ直ぐ見つめた

俺は昨日聞いたヴィランからの話を全て話した
数年前の海を割った人物を探していることも
ヴィランはあなたがやったと気づいたことも
団体が見つけ次第、すぐに動くことも
あなたは最後まで静かに聞いていた
夜凪 あなた
…なるほど
夜凪 あなた
それで私が連れてかれる夢を見たんだね
夜凪 あなた
昨日、話してくれれば良かったのに
爆豪 勝己
…お前を不安にさせちまうと思った
夜凪 あなた
そっか…ありがとうね
夜凪 あなた
勝己もすぐ一人で抱えようとするから
夜凪 あなた
けど、その団体は私も知ってるよ
爆豪 勝己
?!
夜凪 あなた
海に関わる仕事をしてる人はほとんど知ってると思うよ?
爆豪 勝己
…そう…なのか
夜凪 あなた
うん
夜凪 あなた
ちょっと海を荒らしたり、海上で戦闘するだけで海が穢れるとかすぐ言ってくるからね
夜凪 あなた
会ったこともあるし
爆豪 勝己
は?!?!
爆豪 勝己
何もされなかったのか?!
爆豪 勝己
過去の事聞かれたりしてないのか!
夜凪 あなた
え、うん
夜凪 あなた
むしろ私は嫌われてると思う
爆豪 勝己
は……?
夜凪 あなた
私が海に触れたら操れるから、海は神のものだ!お前ごときが触れるな!って
夜凪 あなた
多分あの人たちは神がやったと思ってるから、それが実は個性でしたって知ったら発狂するんじゃない?
爆豪 勝己
……


あなたは淡々と話し続けた。


夜凪 あなた
海上保安庁としては、正直関わるの面倒だから解散して欲しいんだけど、特段悪事や邪魔をされてる訳じゃないから何も出来ないんだよね
爆豪 勝己
…じゃあヴィランの奴が言ってた、あなたがやったことが分かったらすぐ動き出すっていうのは
夜凪 あなた
うーん。私を神にするというより、怒りにじゃない?
夜凪 あなた
海を傷つけたのはお前か!って言われそうだね
夜凪 あなた
まぁ、今更過去の事言われても何も出来ないからね



俺は頭を抱え、ため息を吐いた


夜凪 あなた
……ふふっ
夜凪 あなた
心配してくれてありがとうね
夜凪 あなた
まさか、勝己がここまで焦るなんて思わなかった
爆豪 勝己
…笑ってんじゃねぇぞ
夜凪 あなた
だって…ふふっ
爆豪 勝己
…はぁ…なんか一気に疲れたわ
俺がソファーにもたれ掛かると

あなたは俺を抱きしめに来た


夜凪 あなた
本当にありがとう
夜凪 あなた
でも、これから一人で悩まないで
夜凪 あなた
何でも話して
夜凪 あなた
もう、高校生の頃なんかよりずっと強くなってるんだからさ



俺はあなたの背中に手を回し強く抱きしめた



爆豪 勝己
そうだな。悪かった
夜凪 あなた
ううん



俺はあなたの温かさに安心した。

俺も更に強くならねぇとな。


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