おとといは撮影楽しかったな。
昨日も‥美和さんお休みしてたから。
一日中平和で。最高だった。
‥‥絶望だ。
美和さんと2人きりだなんて。
‥最悪だ。
‥‥嘘ついてしまった。
怖くて。怖くて‥。
そう言うと、美和さんは誰かに電話した。
【来て】って言った‥??
何かされるんじゃないか。不安だった。
【誘拐】‥??
どういうこと?どうして?
なんで私がこんな目にあうの?
もう‥嫌だ。
誰か。
助けて‥。
声がして振り向くと。
ゾムさんがいた。
直樹と呼ばれる男は殴りかかった。
やめて。私のせいでゾムさんが‥‥!
‥っ、みんな‥っ!!
その後美和さんと直樹さんは、警察に補導されていった。
ゾムさんが指差したのは、私が住んでる家の隣だった。
こんなドラマみたいな展開‥ある?!
え!?
推しが隣の家に‥!?
【学校】。
私はもうこの言葉を聞きたくない。
確か‥クッキーがあったような‥
我々だのみんなって何が好きなんだろう。私、ファンのくせに何もわかってないや‥。
ほんと、馬鹿だよ‥。
私は、泣きそうになった。
そうだよ、私にはこんなにも素敵な人たちがいる。
話すのは怖い。人を信じることが本当に怖い。
それでも私は、我々だを信じることにした。
逃げない。
先生の前や結羽の前ではいい子ぶって。
私は静かに首を横に振った。
みんながびっくりしてエミさんを見た。
二人の意見、どちらも正解な気がした。
私は‥‥何がしたいんだろう。
私は本当に我々だが大好きだ。
この人たちにこれから、どれだけ救われるのだろう。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!