カナリア王国に住むミーア姫は、リリアン王国のセシル王子の元に嫁ぐため1ヵ月の間花嫁修業にリリアン王国へ出向く。
だが、早々にミーアは城を抜け出してしまう。
そんな時、偶然出会ったのが自分と瓜二つの顔をした、リリアン王国に住む高校生・美亜だった。
自分とそっくりな美亜を見て、入れ替わることを提案するミーア。
こうして、ミーアは美亜として、美亜はミーアとして1ヵ月暮らすこととなった。
遅刻していった学校で美亜の幼なじみ・海人に出会ったミーア。
黒服に見つかった美亜が連れて行かれた先はお城だった。
見たこともない世界が広がる中見つけたのは、親友の美波にそっくりな美咲だった。
ミーアの身の回りの世話をする侍女だという美咲は、ミーアの異変に気付く。
「あなた一体何者ですか?」
詰め寄る美咲に事の発端を話した美亜だったが、このまま姫を演じるよう頼まれる。
一方、何か確信を持って入れ替わったミーアは、美亜の学校で美咲にそっくりな美波に出会っていた。
そしてもう一人、入れ替わりに気付いていた海人は、ミーアに詰め寄る。
逃げられないと思ったミーアは人探しをしているということだけ海人に打ち明ける。
美亜はミーアとして花嫁修業をこなすことになる。
そんな夜、海人から美亜の携帯に着信が入る。鎌をかける海人の電話を不信に思いながらも、電話は一方的に切れてしまう。
美亜の部屋でアルバムを見つけたミーアはその温かい写真たちを見て思わず涙を流す。
育った環境が違うことに気づいたミーアにはいいようのない感情が芽生えていた。
そして美亜は、ミーアの姫として背負っている重責となみなみならぬプライドを知り、姫を演じ切ることを決意する。
ミーアの人探しを手伝うことにした海人に探しているのは美波の両親だと打ち明ける。
それを聞いた海人は、美波の父親が社長を務める会社に連れて行く。
一方その頃、セシルのミーアを思う深い愛情を知った美亜。
セシルはミーアに地元企業の創業パーティーに一緒に行こうと誘う。
ちょうどその頃、本物のミーアも美波の父親の会社で創業パーティーが行われることを知る。
パーティー当日。
そこでミーアが見たのはセシルと美亜の姿だった。
そして、海人に美波と間違えられる美咲…。
「ミーアと美亜」「美咲と美波」瓜二つの顔をした2組が同じ会場に出揃ってしまった。
この緊急事態を回避するため、1日だけ元に戻ることにした美亜とミーア。
美波とその家族に美咲を合わせないように、美波と海人を会場から連れ出すようミーアに言われた美亜だったが…
その様子を見て美亜が元に戻ったと悟った海人の協力もあり、美波を外に連れ出すことができた。
混乱を避けるため、控室に残っているよう言われていた美咲だったが、気になり外へ出てしまう。
するとそこへ、美咲を探していた社長の秘書に見つかってしまい、それを目撃したミーアは賭けにでる。
「私を助けると思って美波になり替わってちょうだい!」緊迫した状況の中放たれたミーアの言葉を受け入れ、美波になり替わった美咲。
腹痛を訴え病院へ向かう美亜、海人、美波の3人だったが、パーティー後に家族紹介があるから会場に戻るといい美波は会場へ戻り、美亜と海人は岐路に着こうとしていた。
だが、美亜から預かっていたカバンの中に入っていた写真を見てしまった美波。
それは自分とそっくりな赤ん坊の写真だった。
大事なものを守るため…それは誰もが思うこと。
美波の目の前で自分として紹介されている自分にそっくりな人物を目の前にして混乱する美波。
数日ぶりに美亜が戻った実家には変わらない両親が出迎えてくれていた。
部屋には見覚えのない一冊のノートが置いてあった。
そこには、ミーアが美亜として生きる上で浮き彫りになった孤独が見え隠れする文章が綴られていた。
そして海人はノートの端に書かれた
美波┓
社長┛ …美咲
の文字に目が止まった。
美咲の存在を知った海人は美亜を残して会場へ向かう。
パーティーは終わり、美波と話をすると言ってセシルと別れたミーア。
その頃、本当の美波は父に真実を聞くため写真を見せ問い詰めていた。
ミーアのいる控室の隣で美波と社長が口論をしていたところに駆けつけた海人。
海人は冷静に、全てを仕組んだミーアの元へ誘導する。
ミーアの口から語られたのは、美咲と美波が社長の子供であることであった。
それを認めた社長は真実を語り出す…。
15年前、カナリア王国で小さな工場を営んでいたが、借金が膨らみ、双子を養う余裕がなくなり、双子の一人を残し、リリアン王国へ逃れた――。
真実を知り、動揺を隠せない美波と美咲。
美波に何をしてあげるべきだったのか、と考えていた美亜の元へセシルが迎えにやって来た。
「大事なのは血の繋がりではない、共に育った年月」
城へ戻った美亜はセシルの優しさの中にある不安、幼い頃の話を聞き王子の姫に対する思いを守りたいと思うようになる。
美波の家を訪ねたミーアと海人は双子の姉を受け入れた様子の美波を見て安心する。
その頃、海人の美亜に対する思いを守りたくなっていたミーア。
そして約束の日。
それぞれ思いを胸に、元の場所へ戻ろうとしていた。
例え血が繋がっていようがいまいが”家族”ですからね。
物語は第二章(最終章)へ突入。
全ての駒が揃った時、全ての真実が明かされる――。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!