この字は—―ひまりだ。
放課後の屋上は、夕焼けに染まっていた。
少し風が強くて、ひまりの髪が揺れる。
「ねえ、れん」
呼ばれて、れんはうまく返事ができなかった。
「私さ、れんのこと……」
その言葉を聞くのが怖くて、でも聞きたくて。
れんはぎゅっと拳を握る。
「ずっと、頼りにしてた。昔から、今も」
ひまりは少し照れたように笑った。
「それって……」
思わず口からこぼれた声に、ひまりは首をかしげる。
「え?」
夕焼けの中、れんは覚悟を決めた。
「俺は……ひまりが好きだ。幼なじみとしてじゃなくて…!」
一瞬の沈黙。
風の音だけが響く。
そして——













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。