… あと1匹
今の時刻は深夜3時、 …ホテルのチェックアウトは10時
まぁ間に合う
あなたの電話を糧に、4時間ほどで今回の出張任務の呪霊を払っていた
虎杖くんを起こすことはしなかった
私情で彼を起こすのは間違えていると判断したから
最後の1匹を祓った
これで今回の任務は終わった
つまり、明日には帰れる
…
睡眠時間は約5時間
それぐらい寝られれば十分だ
帰りの新幹線で報告書を作成して、少し仮眠を取ればいい
もう帰ることができるのだ、と
もう愛おしい彼女に出会えるのだ、と
そう思うと頬が緩んで仕方がなかった
動揺しすぎだろ
傑にスマホのメッセージ画面を見せた
寝室に向かうと、あなたはまだ寝ていた
そりゃそうだ、まだ朝の7時
病人が起きるには早すぎる
返事なんて返ってくるはずがないのに
あなたの右手は、傑の手を優しく握っていた













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!