私にはお兄ちゃんがいた。
成績もよく、運動もできて、
みんなに優しかった。
そんなお兄ちゃんは・・・
有名な歌い手に所属していて、
ファンも沢山いる。
そんなお兄ちゃん達を両親は溺愛していた。
それに比べて末っ子である私は・・・
勉強も悪い方ではないけどお兄ちゃん達のように
完璧に出来なくて、
運動も苦手だった。
そんな私を両親は嫌っているようだった。
お兄ちゃんたちの前では愛している〝ふり〟をしていた。
お兄ちゃんは私に対してとっても優しかった。
でも、どうしてもお兄ちゃんと比べてしまう自分がいて
お兄ちゃんに嫉妬している自分もいて、
お兄ちゃんは何も悪くないのに。
心底そんなことを思う自分が嫌いだった。
でも、誰かに話を聞いて欲しくて、
誰かに気づいて欲しかった。
でも、ここはアニメの世界ではなく、現実だから。
そんな人現れるはずがない。
そう、思っていた。
君と出会った時、運命だと思った。
そんな君は私と同じ悩みを抱えていた。
もっと早く出会えていたら、
どんなに良かっただろう──


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!