屋敷に住み始め季節が移ろいあっという間に一周しようとしていた
季節が過ぎ去るのは早いもので、あっという間にもうすぐ春。
冬の風も少しずつ暖かさを帯びている。
私が見張り台で外を眺めているとふとここに来る前の生活を思い出してしまう。
こことはまた違う、本物の家族の暖かさ。
食卓を家族で囲み楽しく話しながら食べていた。
お母さんの作るポトフは絶品だった。
不器用なお父さんの作るちょっと焦げた野菜炒めも美味しかった。
でももう、元の世界に戻れない。
私と両親が事故に遭い、運がいいのか悪いのか、私はなぜかこっちの世界にきて生き残って
両親は死亡。
この世界ではこの世界の住人でもなければ戸籍も無い。
この屋敷にいれるのもきっと時間の問題だろう。
悪魔と契約して身体能力が上がり戦闘で戦えたとて、いつか「あなたは弱いのでさよなら」と言われ追い出される未来も可能性がある。
この世界は甘くない。
天使と戦う度に痛感する。
街の人から私達に向けられる視線は決して優しくない。
私たちの偏見は耐えない。
いくら守る存在だと伝えても皆聞かない聞いてくれない。
自分より強い者を悪だと言い、存在価値を下げようとする人間の醜い本性がこの世界だとよく分かる。
一人いやな思考に囚われていると扉をノックされ、声がした
ルカスの優しい声がした。
最近私に慣れて来たのか敬語が抜けている。
私はドアに近づいてドアノブを握って扉を引きドアを開ける。
そう言うとルカスは優しく微笑む。
そして彼に手を引かれ医務室に向かった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。