第10話

実力調査2
47
2024/02/10 16:13
目を開けるとそこには木々が不規則に並んでいた。
どうやら森林にワープしたようだ。
今回の作戦は無難に漁夫の利。
積極的に狙いに行ってもいいけど、
序盤から強い相手と出会うととても辛い、
というか勝てるかも怪しい。
だから初手位置が森林は嬉しい。
あとは隠れて、中盤あたりで動けば良い。

まずは周囲の索敵から始める。
周りの地形から逃走経路を見つけたり、
周囲の敵を知ることでどう動くかを決める。

そうして索敵していると2人の男を見つける。
モブ
ここからどうすんだよ?
モブ
決まってるだろ?
あの袋野郎をぶっ飛ばす!
なんか見たことあるなと思ったら、
ぐさおさんに馬鹿やってた男達だ。
どうやら僕を狙っているらしい。
垢嶺緋色
(バレても面倒だし、奇襲して倒すか)
僕は2つの石を拾う。
垢嶺緋色
(序盤にやっちゃってごめんなさい)
その石を男の頭に狙って投げる。
モブ
ガッ!?
モブ
グッ?!
石は見事に命中し、男2人を意識を失った。
そして白い光に包まれ消えた。
これから8時間近く待機になると考えると気の毒だが
あっちも狙ってきてたし仕方がないだろ。
その後周囲を確認したのち、
茂みに隠れることにした。






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隠れてから数十分が経過したころ、
あちらこちらから爆発音が絶えなくなっていた。
意外とぶつかり合うのが早い。
これは動くタイミングを早めてもいいかもしれない

そう考えていると、
周りの雰囲気が重くなるのを感じた。
垢嶺緋色
(もしかして誰かが近くで戦っているのか?)
しばらくすると、辺りが不自然に暗くなり、
白い不透明な浮遊物が漂い始めた。

それを見てすぐにわかった。


上位ランク者が付近にいる。


おそらく、自分の領域を作り出そうとしている。
こうなったら退散するしかない。
上位ランク者の領域に滞在するのは、リスクが高い
僕はすぐに逃走ルートに入った。

しかし、
辺りがざわめきだす。
白い浮遊物が一点に集まっていくのが見えた。

あの一瞬でバレてしまったらしい、
これだから嫌なんだ!!

次の瞬間、
何かの発射音と共に白い弾幕がとんでくる。

僕は後ろが木で塞がるように逃げる。
幸い距離があったためか、
弾幕は精密性がなく、領域もすぐに出られた。
後ろからは着弾音と木が破壊される音が聞こえる。

逃げる判断が遅れていたらヤバかったかもしれない









めめんともり
あれ?誰かいると思ったんですが…
めめんともり
……気のせいですかね?



















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領域から少し離れたところで足を止める。
辺りを見回したあと、一息ついた。
垢嶺緋色
こっっっわ….。
接敵はしてないものの、
相手が相当強いことはわかった。
本当に隠密しててよかったと思う。
もし戦っていたら負けていたかもしれない。

そんなこんな考えていると、


ドカーーーーン!!
???
ぐぁぁぁぁぁぁ!?







近場で爆発音と誰かの悲鳴が聞こえる。
どうやらゆっくりはさせてくれないらしい。

少し様子を見てみると、










そこには、
木が破壊され作られた広場の真ん中に立つ、
             伊右衛門の姿だった。



明らかに雰囲気が違う。
今日で2回も上級者に会うなんてついてない。
というか伊右衛門ってこんな強かったの?

僕は即刻この場から立ち去ろうとした。



その時、地面が黄緑に光出す。
垢嶺緋色
クソッ!!
僕は後ろに飛び回避する。
次の瞬間、さっきいた場所が爆発する。
間一髪避けれたものの、





iemon
さっきから何してるんですか?緋色さん。
伊右衛門にバレてしまった。
垢嶺緋色
いや、ただ様子を見にきただけだよ。
垢嶺緋色
というか、何でわかったんです?
iemon
結構バレバレでしたよ。
垢嶺緋色
うそん。
垢嶺緋色
ちなみに見逃してもらえたりは…?
iemon
ないですね。
個人的には逃げたいところだが、
それは叶わないらしい。
垢嶺緋色
わかった、それじゃあ…
垢嶺緋色
やってやろうか。
僕は覚悟を決める。
iemon
別に逃げてもいいけど?
垢嶺緋色
逃がしてくれないくせに。
iemon
じゃあ、遠慮なく…



















iemon
やろうか。

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