次の日
ぼくはいつもの時間にないちゃんの病室についた。
ないちゃんが少しいつもよりにこやかにぼくを呼んだ。
ぼくはにっこり笑い返した。
思わず聞き返した。
どういうことか頭の中で瞬時に処理できなかった。
ないちゃんが静かに話す。
泣きそうな声で言う。
ないちゃんはゆっくりと話す。
ぼくは弱音をまた吐いた。
ぼくは言い返すように言う。
ないちゃんはにこっと笑いかける。
ないちゃんはゆっくりとそう話す。
ないちゃんはちょっと笑って言った。
ぼくはその言葉にはっとする。
医療側についていたとき数々の先輩に相談したが、毎回のごとく「気にしすぎ」と面倒くさがられた。
それは、ぼくがそれ程にまでりうちゃんの事を気にかけていて、りうちゃんもぼくの事を…
ぼくの両目から涙が溢れ出した。
ぼくは情けなく声を出す。
ないちゃんが優しく話す。
ぼくは無様にも泣き崩れた。
ぼくはないちゃんに聞く。
ないちゃんが優しく言った。
ないちゃんは逆にぼくを抱いた。
暖かくて、優しい…
そんなないちゃんの言葉はぼくの中にすんなりと入った
ぼくらは生きなきゃなんないんだ…












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!