第33話

 29 蒼い瞳の男の子II
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2025/12/30 14:00 更新

例えば、誰かが口ずさんでいる曲に、聞き覚えがあった時。映画で似たようなシーンを前にも見た時。

既視感デジャヴって、そう言う時のことを指す言葉なんだと思う。
斎藤緋鉈
じゃあね、あなたちゃん
あなた
うん。またね、緋鉈くん

そう … それはまさに、クラス発表後すぐのこと。

緋鉈くんと別れて、扉を開けた瞬間だった _______ 。
あなた
( 瞬間、見えない風が吹き抜けた )

バリアフリーにしては広くて思い扉をスライドさせて、教室の中を一周、ぐるっと覗き込んで。

それで " 彼 " に目が止まった瞬間、身体に電撃が流れたみたいに衝撃が走った。

丸でこの空間に彼しか居ないかのように、彼から目が離せなくなる。それは、確信だった。
あなた
( 名前を聞かずとも、誰なのかが分かった )

燃えるような、私の憧れのヒーローと同じ赤い髪と、透き通るような、ずっと大好きなヒーローと同じ白髪。

黒くあどけない瞳と、そして私がよく知っている、深くて鮮やかで澄むような、蒼い輝きをもつ瞳。
 … ?どうかしたか?

そして彼もまた、何かしらの確執を持っていた。

その日が初対面だと言うのに、歪みを確信出来てしまうほど冷たく、研ぎ澄まされた鋭い視線。

気遣うように、かつ心配そうに尋ねる一方で誰も寄せ付けない、そんな凍った雰囲気を持っている。
あなた
ううん。ねぇ、君

君の名前、轟だったりする?

特に何も考えず、そう軽々しく聞いてから。距離の詰め方間違えたかも、と思う。

その瞬間、彼は怒りのオーラを発し、聞かれたくないことだと言いたげに顔を歪めた。まさに、鬼の形相。

やばっ、初対面でこれは不味かったかな、地雷踏んだかも。そうどこか他人事のように思う。
なんであんたが … 知ってんだ

まさか、親父のこと。

そう小さく言いかけて、はっと口をつぐむ。実際に音は溢れなかったけど、そう言いたかったんだろう。

だけど、そこの深入りは求めてない。それにエンデヴァーの話は、おそらくこの子を傷つける。
あなた
たまたま。何となく、そうかなって思っただけ。気にしないで

だからそう言うと、彼はまだ警戒がMAXというように、じっと視線を向けて来た。

流石に他者に対する警戒感が強いのでは。

そんなことを考えながらも、私は話題を変える。
あなた
私、洞爺あなた。よろしくね
あ、ああ … 

とうや … ?

戸惑ったように返した轟の口が、小さくそう動く。

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