しばらくして、あなたは黒尾の腕の中で小さく伸びをした。
『……ねえ、鉄朗。
もし私がまた不安になったり、弱いところを見せても、嫌いにならない?』
黒尾は少し驚いたようにあなたを見つめ、すぐに優しく微笑んだ。
「バカだな。そんなことで嫌いになるわけないだろ。
むしろ、そうやって弱いところを見せてくれるのが嬉しいんですよ。」
あなたはほっとしたように息をつき、
黒尾の胸に顔を埋める。
『……ありがとう。
鉄朗がいると、どんな自分でも受け入れてもらえる気がする。』
黒尾はあなたの頭をそっと撫でながら、真剣な声で言った。
「俺も完璧な人間じゃないし、きっとこれからケンカもすると思う。
でもさ、あなたとなら、どんなことも乗り越えられる気がするんだ。」
あなたは黒尾の言葉に、静かに頷いた。
『うん。私も、鉄朗となら大丈夫って思える。
……一緒に、いろんなこと乗り越えていこうね。』
黒尾はあなたの手をぎゅっと握りしめ、いたずらっぽく笑う。
「じゃあ、まずは明日の朝ごはん、二人で作るのから始めるか?」
あなたは思わず吹き出して、黒尾の肩を軽く叩いた。
『もう、急に現実的なんだから。でも……楽しみ。』
「俺も。……あなたといると、どんな毎日も特別になる。」
二人は顔を見合わせて、自然と笑い合う。
外の雪はまだ降り続いているけれど、部屋の中には二人だけの温かな世界が広がっていた。
そして、これから先もずっと――
二人の物語は、静かに、でも確かに続いていくのだった。











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!