第3話

🏐🥀
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2026/03/19 01:45 更新





































ドアを開けた瞬間
いくつかの視線がこちらに向いた。

一瞬だけ。

すぐに興味を失ったように逸れていく。
(なまえ)
あなた
……

何も言わず、空いている席を探す。

窓側、後ろの方。
人の出入りが少ない場所に腰を下ろした。

周囲では、
すでにいくつかのグループができ始めている。

笑い声、軽い自己紹介、どうでもいい会話。

――いつも通りだ。


関わらなければ、それでいい。

頬杖をつきながら、ぼんやりと外を見る。

春の光がやけに眩しくて、目を細めた。




なぁ!

前の席のやつが、くるりと振り返る
お前何部入るの?
(なまえ)
あなた
バレー
マネージャーか!
(なまえ)
あなた
いや、俺男…だから選手
は?!
女装か!
へぇ〜本当に男子かよ
(なまえ)
あなた
でも声少し低いもんね
そうそう!
バレー部
へえ、今年も人多いらしいよ
3年に有名な先輩いるし
(なまえ)
あなた
そう
マネージャー希望の子が多すぎて困ってるって友達言ってたし

興味は薄い。
けれど、耳には入る。


及川って人。めっちゃ有名らしい
(なまえ)
あなた
そう


軽く流す。

興味はない。
――少なくとも、その時は。

教室の空気に、少しずつ慣れてきた頃。

扉が開いた。

数人の生徒が入ってくる。

その中に、見覚えのある顔があった。
視界に入った瞬間、思考が止まる。

国見英。
変わらない、無表情。

周囲に合わせるでもなく、
淡々とした足取りで教室に入ってくる。

一瞬だけ、目が合った。
ほんの刹那。
すぐに逸らされる視線。


(なまえ)
あなた

何もなかったかのように、夢主は顔を戻す。

関わらない。
見ない。

それだけでいい。
そう決めていたはずなのに。

足音が、近づいてくる。
一歩、二歩。

そして――

国見
隣空いてる


低い声が、すぐ横から聞こえた。

(なまえ)
あなた
……は?


思わず顔を上げる。

そこに立っていたのは
さっきまで教室の入口にいたはずの国見だった。

国見
ここ


当たり前のように、夢主の隣の席を指す。

空いている席は他にもある。
わざわざここを選ぶ理由はないはずだ。


(なまえ)
あなた
…別に、好きにすれば

拒否する理由を探す方が面倒で、視線を逸らす。

椅子を引く音。
すぐ隣に、気配が落ち着く。

近い。
何もしていないのに、距離だけがやけに近い。

(なまえ)
あなた
……
国見
……


沈黙が続く。

話しかけてくるわけでもない。

けれど離れる様子もない。

ただ、そこにいる。
それだけで、落ち着かない。


(なまえ)
あなた
なんで、ここなんだよ

小さく、吐き捨てるように言う。
一拍の間。


国見
別に

返ってきたのは、それだけだった。

あの頃と同じ、温度のない声。

けれど――
ほんの一瞬だけ、言葉を選ぶような間があった。


(なまえ)
あなた
……そう

それ以上、聞く気もなかった。

窓の外に視線を戻す。

関わらないと決めたはずなのに、
視界の端に入る存在が邪魔をする。

何も変わっていない。
そう思いたいのに。
(なまえ)
あなた
……チッ


小さく舌打ちして、目を閉じた。

――視界に入るな。
そう思うほど、隣の気配は消えなかった。













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