〈せ、成功しました、、〉
「ご苦労、よくやった」
「ええ、水無玲奈をわざと組織にわたした!?」
「ああ、だからキャメルに自分のドライブテクをアピールするように言ったんだよ。この病院から、水無玲奈を連れて脱出するための運転手に選ばれるようにな。そして、その事を奴らに判別させ、彼女を奪還させてやった。そう奴らが我々FBIの策を読んで、まんまと出し抜いてやったと錯覚するように、この坊やたちと、じっくり作戦を練ってな。」
「じ、じゃあ、何?このゴリラが私を殴って気絶させたのも、」
「ご、ゴリラ、、」
「計画の内だったってわけ?!」
「ああ、“この作戦に支障をきたす人間は黙らせろ”と指示した」
「ふんっ」
「それに今回は運良く奴らの爆弾を使って、運転手が死んだと思わせることができたが、あれは、車をドリフトさせてガードレール側に運転席を向け、脱出するのにいい所にドアが来るよう絶好の位置に車を止め、爆発のタイミングに合わせて脱出しなければ、成功しない。ドライブテクのないお前にそんな役を、やらせる訳にはいかんだろ」
あー、言い過ぎ言い過ぎ。一言多いレベルを超えてるよ。
「ふんっ、」
「し、、しかし、水無玲奈は彼らに繋がる唯一の糸、その彼女をなんでむざむざと、彼らに、、」
「ゆうべ、彼女と契約を結んだんですよ。ただの糸では無く、我々FBIの釣り糸になってくれと、」
「?!」
「この坊やたちの策略に乗せられてね、」
コンコン
「そろそろ休め、夜は長い」
「あ、、はい、」
ガチャ
「それで、どうする赤井さん、イチかバチかのこの勝負、乗ってみる気、ある?」
「もちろん」
「じゃあ、まずは眠り姫を起こす王子をここへ」
あー、そういう言い回しだーいすき、すごい大好物。
コンコン
[赤井さん、緊急招集です]
あ、変声機、
「ん?」
ガチャ
「作戦会議か?」
「ええ」
「フンッ、良策があればいいんだがな」
あ、これ、私も行かなきゃだな、
バタン
そういえば、えーすけくんのぬいまだ渡していなかったな。
ーー
ガチャ
「おっと、」
「んっ、」
「君が知っていいのはそこまでだ」
「えっ」
「キャメル、頼む」
「はい」
「ああっ、ちょ、ちょっと、、まだ話が」
「ああ、そういえば、作戦会議が始まるようですが、」
「じゃあ、その子は空いた部屋に閉じ込めて、先に行け。こっちの話を片付けたらすぐに行く、あとは、さっきの電話で指示したとおり」
「了解」
バタン
「さてと、私のことはご存知かな?」
「ええ、知ってるわ、赤井秀一、組織が最も恐れているFBIの捜査官。」
「なら話が早い。早速本題に入らせて貰おうか、」
「その前に教えてくれる?どうして分かったの?私がCIAだって、」
「玲奈さんが土門さんをインタビューした公園で、僕にやったウソ発見の方法だよ。脈拍や呼吸の乱れと、瞳孔の開き具合で、偽証しているかどうかを見分ける。あれはCIAがよく使う手だし、その後の、、“そう、ありがとう、助かったわ。本当にありがとう”って言ったのは、偶然来たって言う僕のうそを見抜いた上での、お礼の言葉だったんでしょ?おかげで土門さんを殺さずに済んだって。それに、あなたがジンたちの前でつぶやいたあの言葉、“私たちの功績は日の目を見ることはないけど、、失敗はすぐに知れ渡ってしまうんだから”、あれも、CIAの常套句だしね。まあ、ベルモットはうすうす勘付いてたみたいだけど。あれって、ノック、ノン・オフィシャル・カバーのノックと、何かを叩くノックをシャレて言ったんだよね。秘密諜報員じゃないかってね。実はあの時、あなたの靴底には発信機と、盗聴器がついてたんだ、ピンポンダッシュ事件の犯人を突き止めるのに使った、それが、偶然にね」
「へえ、なるほどね、でも父のことはどうして?」
「本名が本堂と分かっていたから調べるのは造作もなかったよ。この坊やから、カンパニーの一員かもという、情報も得ていたしな」
「ふっ、、でも、これは知らないでしょうね、まさかその父を、
『玲奈さんが殺したって事?』
「えっ、」
「手首を噛み、顎の下から銃で撃ち抜いた、いや、そう見せかけたというほうが正解だな。あんたの父、イーサン・本堂が娘を守るために、あんたを尋問するMDを用意していたのもそのため。奴らにあんたがCIAだとバレそうになったケースを想定して、違うか?」
「いいえ、すべて父の考えよ。私は組織に溶け込むことだけに必死で、それどころじゃなかった、と同時に長く組織にいるつもりはなく、そう、私のCIAとしての任務は組織に潜入した父に新しい繋ぎ役の諜報員を紹介する事。前の人は殺されていて、連絡が途絶えていたから。それがすめば、私は事故で死んだと見せかけ組織を抜けるてはずだった。父の言った通りに話をし、私は殺されずに済んだのよ。その後やってきたばーにーは、彼らに気づいて、自決してしまったけどね」
「じゃあ、小五郎のおじさんにピンポンダッシュ事件の話をしたのは、新しい繋ぎ役が欲しかったから?」
「ううん、名探偵である彼の連絡先を知りたかっただけなの。理由は瑛祐の保護を頼みたかったから、あの子、何度も局に連絡してきて、そのうち会いに来るんじゃないかって思って、もちろん、その理由をメールに正直に書いてね。わたし近づくことは、危険な組織に関わりことになると、彼がそれを信じてくれるかは賭けだったけど、でも、その相手は君のほうが良かったのかな、気づいていたんでしょ、わたしの意識が戻っていること。」
「うん、この前、忘れ物したって、言って、僕がこの病院に戻った事あったでしょ。あの時気づいたんだよ、部屋をでる前とは、首周りのシーツの皺が微妙に違ってることにね。ちなみに、英輔にいちゃんがこの病院のどこかに隠れてるって事も分かってたよ。英輔にいちゃんのクラスメイトの中道ってお兄ちゃんが、たまたま入院しててね、英輔にいちゃんを見なかったかって聞いたんだ。僕は英輔にいちゃんって言っただけなのに、会沢英介じゃなく、本堂英輔だってわかったのは、中道のにいちゃんはしってて隠してるって事。だから分かったんだよ。」
「へえ、本当にすごいのね、君」
「ああ、我々FBIが舌を巻くぐらいにな」
『名探偵なんで、』
「で、どうする気?組織が私を奪還しに来るんでしょ?」
「ああ、そこで提案だが、、、」
「まさか私にもう一度組織に戻れなんて言わないわよね、」
「もちろん、その、まさかだ」
「なるほど、だから水無玲奈をわざと彼らに渡したというわけか、前のように彼らの懐に潜っていろいろ探ってくれと」
「ええ、我々のイヌではなく、CIAの諜報員としてですがね。」
「じゃあ、彼女が奪われる寸前に君が殴られた様な、あの音も偽装だったのかね?」
「ええ、殴られて、気絶したフリをして車を止めろと、赤井さんに指示を受けていたので。でも、まさか本当に殴られるとは思っていませんでしたが。」
「そうしてくれと、彼女に頼んだんだ。万が一、お前が殺された場合、お前の首筋に殴られた跡がないと、水無玲奈のみが危うくなるからな。」
「そ、そうですね、」
[でもねぇ、それならそうと、教えてくれたって良いじゃない。」
「ああ、その通りだよ。彼女を奪われ、我々がどんなにショックを受け、落ち込んだことか、」
「それが狙いですよ。FBIの無線は、奴らが傍受していた可能性が高い。」
「「えっ」」
「彼女が奪還され、我々が落胆しなければ、奴らは納得しないでしょうから。演技ではなく、リアルにね」
「にしても、彼女をCIAとして、彼らの中に戻したのは、、」
「ただ戻したわけじゃない。奴らの情報をCIA本部に報告した後で、こちらにも流すということで話をつけましたから。」
「えっ、」
「そ、そんな要求、よく彼女がのんでくれたな。」
「ええ、当然、それに釣り合う条件を提示されましたがね」
「証人保護プログラムか、彼らのボスのメールアドレスを知ってしまった少年なら、おそらく、適用されると思うが、、、」
「この病院の人たちも心配だわ。彼らは多分、FBIに加担して、水無玲奈を匿ったと思っているでしょうから。なんとかしないと、、」
「それなら平気だよ」
「「「ん?」」」
「多分今頃、水無玲奈さんが、関係ないって教えているだろうから。」
『だね、』
「あなたの下の名前ちゃんはそろそろ帰らないの?」
『え、あー、バイトありますし、帰ろうかなとは思います。』
「あ、あなたの下の名前お姉さんも帰る?なら、博士のビートル乗ってく?」
『え、いいの?』
「うん、ポアロ前でいいでしょ?」
『ありがとね、』
ーー
「到着じゃ」
『ありがとございました』
「またねー、あなたの下の名前お姉さん」
『うん、またね、』
ふー、久しぶりのポアロだな、、今日は昼からだって言ってたから多分平気だよね。
カランコロン
「あ!あなたの下の名前ちゃん!」
『どうも、久しぶりです。』
「久しぶりー、新しいバイトさんが来るって見たよね、」
『あっ、はい、見ましたよ、料理が上手とか』
「そうなんだよね、まだ来てないから早く準備して来なね」
『はい、あれ、今日はマスターいないんですね。』
「あー、風邪みたいだよ。」
『うわ、大丈夫ですかね、』
「しんぱいだよねぇ、、ま、人手は多いから、多分平気だよ」
『ですね。』
誰だろうか、男の人だとは聞いたけれど。黒髪短髪メガネだったらドストライクの人だけど。
カランコロン
誰かきたな、バイトさんだよね。まだ来てないって言ってたし、あいさつしてこよ、
「あ、あなたの下の名前ちゃん、この人が話してたバイトさんだよ」
「どうも、」
あれ、なんか聞いた事ある声、、
「緋色唯です、よろしくね」
緑川ボイスで、顎髭で、、
『え、、?ヒロく、、』
生きてる、??ifの世界か?
「だっ、大丈夫?」
『へ、?』
「泣いてるよ、大丈夫?」
『あ、、本当だ、』
泣いてる、、多分明美さんとかその他もろもろで、キャパオーバーだったんだ、、
『大丈夫です。少し、知り合いに似ていたから。』
「知り合い?」
『、少し前に、死んでしまったと、聞きましたので。』
これは嘘じゃないからね。私が君を知った時はもう、いなかったから。でも、ifだとしても、嬉しいな、生きてる。他のメンツは生きているだろうか、、生きていないとしても、ヒロくんが生きてるだけで嬉しいからね。
「それで、あなたの下の名前ちゃんには世話係というか、仕事教えてほしいんだよね、」
『え、』
「よろしくお願いしますね、先輩」
『ひゅっ』
せんぱい、、先輩?!先輩だって、先輩、聞いた?先輩だよ、私。やばい、2推しに先輩って言われた。やばい、幸。
しぬ、しあわせすぎる、死んでしまう、、
「大丈夫ですか、先輩」
『アッ、先輩じゃなくて、名前で、大丈夫です。』
「そう?ならあなたの下の名前ちゃんでいいかな」
『エッ、ハイ』
ちゃん呼び〜!!やばたんすぎる、、激メロ、、
「敬語、外してくれるかな?」
『アッ、もちろん』
顔が良い、、好き、、
『ひ、、じゃない、唯くん、よろしくね。』
「よろしくな、あなたの下の名前ちゃん」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!