第6話

吸血鬼LIFE初日 シゲ
1,004
2018/09/26 22:50
-加藤part-
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
おげぇ、ごほっ、げほ、
これもダメか...
俺はいくつか料理を作って食べてみたが、
どれも不味くてすぐに吐いてしまった。
どうやらMr.Nが言っていたことは本当らしい。
俺らは吸血鬼になってる。
人間の食事は体が受け付けない。
あの後家に帰ってからなにも食べれずにいた。
Mr.N
Mr.N
おやおや?そろそろ体が持たないよ、君?
Mr.Nの声がする...
すべての始まりはこいつからだったっけ?
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
お前のせいだぞ、俺がこんなに苦しんでるのも全部!
Mr.N
Mr.N
何を言ってるの?君、ボクは君たちに対するファンの怒りや悲しみから生まれたんだよ。
すべては君たちのせいじゃないか!
自業自得だよ。
Mr.Nの言葉が深く胸に突き刺さる。
そう、俺達はどれだけの人を悲しませてきたんだろう。
そんな俺達についてきてくれるファンには感謝しかない。

でも...
力が入らない。
俺は床に倒れこんだ。
Mr.N
Mr.N
あーぁ、倒れちゃって...
今回は特別にボクが餌を取ってきてあげるから、今度から自分でやるんだよ😉
Mr.Nは俺の前に一人の女性をおいて消えていった。
気を失っているのか、女性は目を開けない。
既に死んでいるのか?
これを俺に食えと?
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
冗談じゃないよ...
そんな...
俺は女性を見つめたまましばらく動くことが出来なかった。

喉のかわきはピークに達する。
俺は女性の首に噛みついた。
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
グァブ
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
あぁ、うまい。
体が軽くなり、満たされていく。
人の血がうまいと感じるなんて、
俺は本当に吸血鬼になったんだなぁ。

信じられない、信じたくなかった現実

もう、泣くことすら出来ず、
俺はただ女性の亡骸を前にたたずんでいた。
Mr.N
Mr.N
ちゃんと食べたね!
吸血鬼に食われた死体は、時間を置くと灰に変わって消えていく。
この女性が生きていた証しと共に抹消される。
完全犯罪さ!(ニコッ)
加藤シゲアキ
加藤シゲアキ
そんなぁ。
それじゃあ、この人はいなかったことになるってこと?
Mr.N
Mr.N
そーだよ!さすが先生!
Mr.Nの笑い声が部屋に響く。
女性は既に灰になり始めていた。

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