前の話
一覧へ
次の話

第1話

1
638
2025/11/20 10:25 更新
藤原家の朝は、毎日が嵐のようだった。
丈一郎がキッチンでエプロンを結んだ瞬間、家の空気が一気ににぎやかになる。
丈一郎
朝ごはん、もうすぐできるで

その声と同時に、階段の上から騒がしい足音が近づいてきた。
恭平
昨日のプリン、俺のやんな
謙杜
いや俺のやし
恭平
オレが食べようと思って残しといたねん
謙杜
残したら俺のになるってルール知らんの?

双子の言い合いは、まるで朝のラジオ体操のように毎日欠かさず行われる。
丈一郎
頼むから朝ぐらい静かにしてくれへん?
そこへ、半分寝ぼけたままの和也が流星を抱えて降りてきた。
和也
まだ眠い……
流星
だぁー

流星は和也の髪をわしっと掴んでご満悦だ。
テーブルでは駿佑が早くも座り、ランドセルを横に置いて準備万端だった。
駿佑
今日も元気やなぁ、お兄ちゃんたち

向かいには大吾がパンを食べている。
しかし、バターの面が思いっきり下向きで、床にぽたぽた落ちていた。
駿佑
大吾、それ逆やで
大吾
え? あ……おちた
駿佑
めっちゃ落ちてる

その声を聞いて丈一郎が急いで床を拭きに来る。
丈一郎
大吾、食べ物は大事にしてな
大吾
はぁい

しかし、双子は止まらない。
謙杜
プリン食べたん絶対恭平!
恭平
ちゃうって! 昨日筋トレしすぎて甘いの食べる気分じゃなかったもん!
謙杜
筋トレしたらむしろ腹減るやろ!
恭平
……たしかに?

恭平の思考が停止した瞬間、謙杜の勝ち誇った顔が光る。
謙杜
ほら食べたやん!
恭平
違うって! 証拠がない!

丈一郎
二人ともいい加減にして座れぇぇ!

ようやく双子は椅子に座った。
ようやく落ち着いた……と思った、その時。
和也
丈兄〜、流星なんか噛んでる

見ると、流星は醤油のフタをカミカミしていた。
丈一郎
それアカンって! 返してくれ流星!
流星
だぁぁ!

全力で反り返って抵抗。
その力はもはや小さい怪獣級だった。
恭平
握力すご……
やっと食卓が穏やかになってきた頃、丈一郎がふと気づく。
丈一郎
……あれ? 大吾どこいった?
その瞬間、謎のミシミシ音と共に現れた。
大吾
みて〜! 流星といっしょの椅子!
丈一郎
ギャーー! それはアカン椅子やって!
大吾
とれへん……
丈一郎
そら無理やろ……

救出作戦が再び始まる。
和也
朝からやばいわ……
恭平
普通やろ
謙杜
せやな
なんとか食事を終え、片付けも済み、丈一郎がやっと息をついた。
丈一郎
ふぅ……なんとか無事に朝終わった……
そのタイミングで――

ガターン!
 
流星が牛乳パックをひっくり返し、テーブルに牛乳の湖が広がった。
流星
だぁっ!
丈一郎
無事ちゃうわーーー!

こうして藤原家の賑やかな一日は、いつも通りバタバタと始まっていくのだった。


_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _
コラボ相手の作品です。

いいね、お気に入りよろしくお願いします。

また、フォローの方もよろしくお願いします。

プリ小説オーディオドラマ