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第2話

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2026/02/24 12:26 更新


side国見


4月の風はまだ冷たい


真新しい制服は肩が重くなるような感じがして苦手


眠い目を擦って人混みに飲まれそうになりながら
クラス表を見る


国見 英
 ( 6組か … )


自分のクラスの名簿を見るも中学の時のクラスメイトが
数人いるがほとんど知らない人ばかりだ


ましてや中学の時のバレー部の部員なんて誰もいない


そんな事を考えていると前方に見慣れた姿らっきょヘッドを見つけた


他にも誰か人がいるのでいつもの事ながら
近所の人かおばあさんの道案内でもしてるんだろう


少しばかりの善意で助けてるのを手伝おうとしたけど
立ち止まってしまった


あいつが助けていたのは近所の人でもなく
おばあさんでもなくここ青城の生徒を助けていた


偶々目があったその生徒に俺は見惚れた


名札が俺達とは違う色なので2年か3年の先輩だろう


その人は助けてもらって早々にまた転けて
何やらプリントを落としていた


転ける拍子に髪が宙へひらりと舞って
光が柔らかく反射していた


国見 英
 ( 綺麗だな … )


 そしてまた同級生か誰かは知らないが助けて貰っていた


.
 またこれ落としてるよ 〜 


あなた
 あ,やべ,ありがと ! 


柔らかい声と笑顔


それだけで空気が甘くなった気がした


またどこかへかけていく背中をつい目で追ってしまう


名前も学年も何も知らないのに


でも


まだ一目惚れなんて認めたくない


認めてしまったら何かが変わってしまう気がするから


あ,金田一がこっちにやってきた


金田一 勇太郎
 よぉ国見 ! 


金田一 勇太郎
 っておい顔赤いけど熱か ? 


国見 英
 別に … 


金田一 勇太郎
 またそう言って体調管理はウンタラカンタラ … 


国見 英
 うるさいな … 


国見 英
 金田一は俺の母親かよ 
金田一 勇太郎
 なっ … !? 


そういうと不本意そうな目でこちらを見てくる


でも今の俺にはそんなこと気にしてられない


心臓が痛いくらいに高鳴っている


どうせこいつは気づいていないだろう


でもむしろそっちの方がいい


金田一 勇太郎
 そろそろ体育館入場だってよ 


国見 英
 んー … 
 
金田一 勇太郎
 早く行くぞ 
 
そういいながら半ば強引に俺の手を引いて行った

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