食事を終えた後、しばらくぽかんとしていたあなた。
いろんな考えが頭のなかをめぐりめぐって、もう何も考えられなくなっていた。
セルビアくんはタバコの煙を吐き出しながらそう尋ねた。
しかし、その疑問は半ば放心状態だったあなたには届かない。
ばつが悪そうに目線をそらすセルビアくん。
ここでようやくあなたは現実の世界に戻ってこれたみたいだ。
そう、うす暗い部屋と、火薬臭い現実に!
あなたの顔がゆがんだ。そう、このカラシニコフの幼馴染の前じゃ、どんな行動も死のリスクにつながる。
青ざめるあなたとは対照的に、セルビアくんは頬を染め、しどろもどろになっていた。
しばらく広がっていた沈黙の間に、セルビアくんは何本目のタバコに火をつけたんだろう。
あなたがほぼ防衛本能のようにのぞき込んだのを、セルビアくんは自分の帰りが遅いことを残念がっているととったみたいで、こうつけ足した。
そしてセルビアくんの表情にもう残念の色はなかった。
何を思いついたんだろう。天から降ってきた素晴らしいアイデアが、セルビアくんをぱっと明るくさせた。
あなたの返事によって、明るさはさらに増す!
セルビアくんはめいっぱい喜んで、そしてめいっぱい照れくさがった。
うまく言葉が出ないみたいだ。
なんどか空気だけが吐き出されて、5回目のトライでようやく言葉になった。
眩しいほどに純粋で、色褪せない感情。
セルビアくんがめいっぱい伝えたそれも、あなたの防衛本能にかき消されてしまったようで…
昔みたいなひまわりの笑顔じゃなくて、
愛想笑いで返されてしまった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。