カイト本人は笑顔だが、周りには凄い威圧感が漂っている
なんだこの差は……
血だらけになって倒れている自分との差に絶望しかける
……しっかりしろ、無能力の自分と最強を比べても何にもならない
巨人も見ただけで分かる実力差に少し気後れしてるのか、覇気がない
巨人の右ストレートを手のひらで抑える
……体格差が数倍はあるように見えるのは俺だけか?
カイトは掴んだ拳を思いっきり引き寄せる
それにつられて巨人の体が浮く
カイトの拳が巨人の腹にめり込む
瞬間、巨人が空に向かって一直線に飛んでいく
気がつけば、宙を舞う巨人の背後にカイトがいる
足を振り上げ、思いっきり振り落とす
巨人は先程の光景を逆再生したかのように、今度は地面に向かって飛んでくる
瓦礫の山から未だに元気そうに巨人が立ち上がる
すると、カイトは弓を構えるような態勢をとる
弓なんて持ってないじゃないか……
そう思ったのも束の間
カイトの手元に光が集まる
カイトが矢を放つ
その時、雷が落ちたかのような閃光が走る
直撃した巨人は大きく仰け反る
矢継ぎ早に矢が放たれる
巨人はなんとか防ごうとするも、高速連射に対応出来ずに被弾する
巨人は大きく跳躍し、放物線を描いてカイトに近づく
巨人はカイトに向かって棍棒を振るう
カイトは矢を構えた体制のままで、回避や防御したり出来そうにない
思わず叫んだ
ドォォン
とてつもない衝撃で砂埃が舞う
砂埃が消えた時、そこには
触れずに棍棒を寸止めしているカイトがいた
カイトは軽い身のこなしで距離を取る
瞬きをした後、俺は自分の目を疑った(棍棒寸止めの時点で既にそうだが)
眼下には、9人のカイト
それぞれ剣や槍など、思い思いの武器を持っている
9人のカイトが巨人を取り囲む
そして一斉に巨人に斬りかかる
ほぼ真正面から切り込んだ槍と、日本刀のカイトは棍棒をもろにくらい、体が崩れる
すかさず巨人は右から殴りかかったメリケンサック持ちのカイトの一撃を防ぐ
しかし防げたのも3人まで
残りの6人が一撃をいれる
正面から時間差で来た爪を装備しているカイトは、巨人の左腕の肉を抉る
左からは、ハンマーと剣の一撃がはいる
背後の大剣、レイピア、短剣のカイトがそれぞれ巨人に傷をつける
ついに巨人が膝をつく
カイトの煽りに巨人は感化されたのか、咆哮をあげて立ち上がる
巨人へめちゃくちゃに棍棒を振り回しながら突進してくる
笑顔だったカイトの顔が、冷めた目つきに変わる
カイトは腕を振り下ろす
その時、巨人が突然倒れた
カイトはその場を立ち去ろうとする
慌てて、俺はカイトの元に駆け寄る
振り返れば、そこにいたはずの運び屋がいない
よく見れば、瓦礫の中に倒れ込んでる運び屋がいた
……まぁ、こんな大乱闘起こったら、数日前まで一般人だった運び屋は気絶するか
カイトが手をかざして呟く
自分の体を見れば、傷が全て癒えていた
俺はカイトに向き直って再び頭を下げる
言い方に引っかかったが、言える雰囲気ではなかったので、とりあえず頷く
遠くからサイレンが聞こえてくる
そう言うと、カイトは瓦礫の山を飛び跳ねて、どこかに行ってしまった
俺は気絶してる運び屋を背負って、その場を離れる











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。