奏音 side
私は小さい頃から、自分の可愛さに自信があった。クラスの子はみんな「奏音ちゃん、可愛い」って言ってくれるし、親だって溺愛してくれた。
男子だってチョロイものよ。
ちょっとあざとい仕草すれば、キュンってときめいて告白してくる。それが私の無意識であってもね。
・・・まぁ、アンタは別だけど。
小学三年生のある時、私が親友二人___胡小奈と雛と一緒に公園でファッション雑誌を読んでいると、胡小奈が雑誌から目を外して、私の顔をじっと見てきた。
突然放たれたその言葉。
私の頭は困惑で一杯になった。結局、彼女の質問へ答えることが出来ず、暫くの間沈黙が続いてしまった。
曖昧に返事はしたものの、私はその場ですぐに、「それ、いいかも」と頷く事は出来なかった。
・・・なんでかって?
それはね、私にとってアイドルとか、モデルとかは、キラキラしてるものでは無かったのよ。
なんかね・・・、輝きを感じなかったの。
いつも同じダンス踊って、決められたポージングで歩いたり、写真に撮られたりする。
まるで仕事用のロボットみたい。私はずっとそう思ってた。
可愛いって言われるのは良いけど、それを夢とか仕事とかにはしたくなかったから。
顔で全てを決められてるみたいで。
そこでね、私は一つのスランプ的な物に陥るのよ。
___私は何がやりたい?ってね。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。