第13話

12.頼るのも悪くない
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2026/03/20 04:16 更新



宮侑
そう言えばあなたの下の名前、次の大会で負けたら部活やめるんやろ?



再び歩き始めて数分後、ずっと黙っていた侑が急に口を開き、何かと思えば、急にそんなことを言い出した。


あなた
何や急に…
あなた
…まぁ、その大会終わったらもう大きな大会残ってないし、受験勉強せなあかんからな
あなた
今のうちに勉強しとかんと



続けたいのは山々だが、受験勉強がある。




だから、3年上がってすぐの大会が私の引退試合となる。




私含め、他の子もこれが引退試合となる子も多い。



宮侑
俺らはもうその時には高校生か…
あなた
どこ行くん?
宮侑
稲荷崎っちゅう所から推薦来た
あなた
え!?凄いやん!
あなた
めっちゃ強豪校やんか
あなた
治も?
宮治
おん
あなた
凄…



やっぱり、私なんかがつるんでいい相手ではない。



そう思いしらされる。



宮侑
あなたの下の名前の引退試合、ちゃんと見に行くからな!
あなた
来んでええよ…
あなた
2人がおったら女子が大騒動になってまう
宮侑
いーや、行く!
宮治
せやで、中学最後の試合や、あなたの下の名前の一番のファンとして行かなあかん!
あなた
いつの間にファンになっとったんよ…
宮侑
でも練習日と被ったら行けんな…
あなた
せやな、というか強豪校なんやから絶対被るやろ
あなた
絶対毎日バレー漬けの日やんか
宮治
んー、じゃあ知り合いにビデオでも撮って貰っとくか
あなた
マジでやめてください
宮治
そんなつれんこと言わんでやー
あなた
そこまでしてみる程、2人からしたら女バレ強くないやろ
宮侑
そういう問題やない!
あなた



宮侑
俺らはあなたの下の名前がバレーしとる姿がみたいんや!




あなた
あなた
何やそれ



そこまで言われたら、許したくなってまう…。


あなた
……ま、ビデオはやめてほしいけど、もし来れるんやったら絶対バレんようにしてな
あなた
それやったら来てもええで
宮ツインズ
あなた
守れんかったら高校のバレー見に行かん
宮ツインズ
わかった!



ほんま同じ反応すんな…。




そんな2人を見て、面白く、少しだけ嬉しく思ったのは
私だけの秘密だ。






あなた
あんがとな、家まで着いてきてもらって
あなた
侑も、プリンあんがと
宮侑
プリン…?…って!あ!
宮侑
奢ったの忘れとった!
あなた
言わんかったらよかった…
宮治
せっかく話題そらして忘れさせとったのに!
あなた
ごめん…
宮侑
そこ!聞こえとる!
あなた
ご、ごめんって
あなた
でもほんまあんがとな
宮治
ま、元々侑のせいやからな、そんな謝らんでもええやろ
宮侑
せ、せやけど…!



ほんと、この2人といると笑顔が耐えない。




この2人の何気ない会話で何度救われたことか…。




幼少期の頃からこの事は変わりない。



宮侑
あ!せや!



宮侑
明日からも送り迎えするからな!




あなた
………はい?
宮治
俺もするからな!
あなた
……………はい??
宮侑
ちなみに陽彩は受験勉強で塾が毎日あるらしいから俺ら2人やで
あなた
い、……
あなた
いやいやいや!!
あなた
マジでやめて!ほんまに!
あなた
女子に刺される!!!!
あなた
殺される!!!
宮侑
やから!守るために帰る言うてるやん!
あなた
~っ!
あなた
1人でも帰れるから!
あなた
元はと言えば2人が私との距離が近かったからや!
あなた
距離が近すぎたんよ…私らは普通かもしれんけど、他の子達からしたら近いって思われとんや
あなた
それに、2人に迷惑もかけたない
あなた
やから…


宮治
…確かに俺らのせいや


あなた
…?
宮治
俺らがもっと気を付けとったらあなたの下の名前もこんな大変な思いせんでもよかったかもしれん…
宮治
でもな、迷惑かけとる自覚はあるんよ
宮治
やから俺らなりに出来ること探して、今までの分も返せるように何したらええかなって…
あなた
宮治
それに、俺らはあなたの下の名前を迷惑に感じたことなんか1回もない
あなた
…ほんまに...?
宮治
ほんまや、でもあなたの下の名前、すぐ1人で抱え込むからそこら辺は頼ってほしいなって思うときはあるけどな
宮侑
そうや!人に迷惑ちょっとかけるくらいのほうがええんやで?
宮侑
あなたの下の名前の周りには、思ったよりたくさんの人がいるんやで
宮侑
そいつも頼ってほしいとか思っとるんやない?
あなた


今まで、人に迷惑をかけることだけはいけないと思い込んでしまっていた。



けど、言われてみれば私も頼られることは好きだ。



大切な人が1人で抱え込んでしまって頼ってくれないと私も少し悲しい。



それと一緒なのかな…?2人も。



宮治
まぁ、学年ちゃうから一緒におれんことの方が多い
宮治
やから行きと帰りくらいは、って…
宮侑
ちょ!サム!言わん約束やったやんか!
宮治
だって、言わんと絶対承諾してくれんやん
あなた
いや、まだ承諾してないけど?
宮治
え!?してくれんの!?
あなた



始めて知った。



こんなに私のことを考えてくれてたなんて…。



こういうときはやっぱり年上なんだなって感じる。



あなた
あなた
そこまで言うなら…わかった...
宮ツインズ
宮侑
ほんまか!?
あなた
2回も言いたない
あなた
…でもあんがとな、2人共


あなた
頼るってのも、案外悪くないかもしれんな…


宮ツインズ
宮侑
サム聞いたか今の!
宮治
おん聞いた!あなたの下の名前からそんな言葉が聞けるなんて…!
あなた
マジで2人は私のことなんやと思っとんよ
宮侑
うぅ…成長したなぁ…
あなた
ちょっ!泣いとるん!?
あなた
人ん家の前でやめてや!恥ずかしいやろ!
宮侑
なんでそんなこと言うんやーッ!



そういいながら抱きついてくる侑。



ほんまに恥ずかしいからいい加減にしてほしい...。



そんな私を見て治も侑を引き剥がすのを手伝ってくれた。


宮治
同じ顔しとるんやから変な顔せんといてや、こっちが恥ずかしなってまうやろ
宮侑
なんで今日2人そんな冷たいん!?
あなた
侑がいつも以上に変やから
宮侑
いつも以上って…!いつも変みたいな言い方やめや!
あなた
変やろ
宮治
変やな
宮侑
酷ッ!
宮治
てか、外めっちゃ暗なっとるやん



治に言われて空を見上げると、確かにもう日が落ちきってしまいそうだった。



宮治
家の前で騒がしくしてもて悪かったな、また明日朝来るからな
あなた
わかった、2人が寝坊したら先行くからな?
宮ツインズ
う゛っ!


やっぱり悪いとは思っても、この2人をからかうのは面白い。



でもこの2人の反応を見るに本当にしてきそうで怖い…。



ま、そんときは置いてくだけやけど。



あなた
ほんまに寝坊せんといてな?
宮侑
が、頑張るわ!
あなた
頑張るて…
宮治
起きんかったら俺が引っ張り出すから安心しぃ
宮治
じゃ、また明日な
あなた
おん、また明日
宮侑
またなー!



私は2人の声を聞きながら家へと入った。



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