第28話

第二十四話 束の間の癒やし
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2024/06/14 10:00
現在、金曜の夜6時半。

僕はぺいんとの家にお邪魔させてもらっていた。

まだ晩御飯の時間でもないのにリビングには2人分の布団が敷かれている。
ぺいんと
ぺいんと
と、言うことでお泊り会開始〜!!
(なまえ)
あなた
い、いえーい…
早めに敷かれた布団の上に座りながら、僕はやけにテンションの高いぺんちゃんに少し引いていた。
(なまえ)
あなた
ぺんちゃん…気早くない?
ぺいんと
ぺいんと
え、何が?
トランプの束をくくっている輪ゴムを取り外そうとしている時にそう言うと、ぺんちゃんは驚いたような顔をした。
(なまえ)
あなた
まだ6時半だよ?
ぺいんと
ぺいんと
…え?
(なまえ)
あなた
…先に晩御飯じゃない?
ぺいんと
ぺいんと
…あ
ぺんちゃんとキッチンに到着した後、僕らは顔を見合わせた。
(なまえ)
あなた
ぺんちゃんって…
ぺいんと
ぺいんと
あなたの下の名前って…
ぺいんと&あなたの下の名前
料理できる?
ぺいんと&あなたの下の名前
あっ…
僕らはまるで双子のように苦笑いをした。

今、この家には誰にも料理ができる人が存在していないことが判明。
ぺいんと
ぺいんと
どうする…出前でも呼ぶ?
(なまえ)
あなた
出前の料金は誰負担になるのそれ…
ぺいんと
ぺいんと
……父さん
(なまえ)
あなた
止めようそれは
ぺいんと
ぺいんと
分かったよ
なら今からコンビニで何か買ってくるか…

そう思って財布を探しにリビングに戻ろうとすると、ぺんちゃんが声を上げた。
ぺいんと
ぺいんと
あった!!カップ麺!!!
戸棚を開いてカップ麺を取り出したぺんちゃんは、目をキラキラさせて僕の目の前に見せつけている。

久しぶりに見たカップ麺は神々しい光を放っているようだった。
(なまえ)
あなた
ナイスぺいんと!!!
ぺいんと
ぺいんと
おう!!!
戸棚の中の奥を見ると、様々な種類のカップ麺が並んでいた。

学生にとっての楽園すぎる。
(なまえ)
あなた
すごいねこれ…インスタント麺の愛が…
ぺいんと
ぺいんと
父さんのだなこれ…
ぺんちゃんは一瞬顔をしかめたがすぐに顔をもどし、ソースが濃いと有名なカップ焼きそばを手に取った。
ぺいんと
ぺいんと
俺はこれにするよ、あなたの下の名前はどうする?
(なまえ)
あなた
えーっと、じゃあ…
カップヌードルの選択肢にすぐ決まったが、チリトマトかカレーで悩む。

そもそも、久しぶりのカップ麺なのもあって誘惑が多い…
ぺいんと
ぺいんと
めっちゃ悩むじゃんあなたの下の名前…甲乙つけがたい感じ?
(なまえ)
あなた
うん…2つには絞れたんだけど…
ぺいんと
ぺいんと
まあ2つぐらい食べても良いんじゃない?
(なまえ)
あなた
え、それは…
ぺいんと
ぺいんと
お泊り会だから問題ナシ!
(なまえ)
あなた
いや…言葉はありがたいけど…
(なまえ)
あなた
…カップ麺2個は罪悪感すごいからこれにしよ
ぺいんと
ぺいんと
変に真面目だな〜…お前
ぺんちゃんの言葉に後押しされながらも、僕は結局、カレー味を食べることにした。
現在ぺんちゃん家のリビングの机には、

濃厚なソースの匂いを立ち込めたカップ焼きそばと、刺激的なスパイスの匂いを持つカップ麺カレー味が置かれている。

ちゃんと3分経ったことを確認したのち、僕たちは手を合わせた。
ぺいんと&あなたの下の名前
いただきます!
絶賛成長期の僕たちは、一旦よだれを飲み込んだ後に食べ始めた。


THEインド感があるスープが麺と絡まってズズッと口に運ばれていく。

僕の口にピリッとした辛味がやってきた後にカレーらしい旨味が襲ってきて、ポッポと体を熱くさせる。

謎肉やポテトなどの具材も忘れずに麺の上にのせて啜ると、肉の感触と味、ポテトのホクホクさもプラスされてさらに美味しい。
(なまえ)
あなた
うっま……
ぺいんと
ぺいんと
あなたの下の名前めっちゃ美味そうに食うじゃん…俺にも一口ちょうだい
すると勝手にぺんちゃんの箸が乱入、まあまあな量をかっさらっていった。
(なまえ)
あなた
ちょ、とりすぎだってお前っ…
すかさず、僕もぺんちゃんの焼きそばをすくって啜る。
ぺいんと
ぺいんと
あ、お前俺の焼きそば…!
(なまえ)
あなた
ぺんちゃんが先でしょ…
正論を突きつけつつも、焼きそばの味にも舌が反応する。

一口でもわかる、ソースの濃厚さ。

キャベツの甘さや肉の存在感もソースに助け舟を出して、これがまた良いハーモニーを奏でている。
(なまえ)
あなた
ぺんちゃんの焼きそばも美味い…
ぺいんと
ぺいんと
ホントに美味そうに食うなあお前…
(なまえ)
あなた
だって美味しいんだもん…久しぶりに食べたし…
ぺいんと
ぺいんと
気持ちは分かる…
こうやって楽しく食べていたが、カップの中にスープのみが取り残されたことが分かった途端、夢の時間は終焉を迎えたかに思えた。
(なまえ)
あなた
なんで麺って無くなるんだろう
そうやってしばらくしょげていたが、ぺんちゃんが冷凍ご飯をチンして持ってきてくれた。
(なまえ)
あなた
最高です天乃様
ぺいんと
ぺいんと
キャラ崩壊すんなあなたの下の名前
(なまえ)
あなた
分かってるよ、ありがと
遠慮なく、麺がいなくなったスープにご飯を入れて混ぜるとカレー風雑炊の出来上がり。

口の中に運ぶと辛旨なスープを吸ったご飯とまだ残っていた謎肉が、これでもかと言うほど美味さを叫んでいる。

ホントはチーズも入れたらさらに美味いんだが…人様の物を頂いているためわがままになってはいけない。

ぺんちゃんの方を見ると、味変としてマヨネーズをかけて食べていた。
(なまえ)
あなた
ごちそうさまでした…
ぺいんと
ぺいんと
満面の笑みすぎるだろお前…
最後の一口を啜った後、ぺんちゃんはそう呟いていた。
現在、午後11時。

晩御飯の後、僕たちは交互に風呂に入り、約3時間ほどゲームに勤しんだ。

大乱闘系ゲームではぺんちゃんの圧勝だったが、ぷよテットでは僕の頭脳が光った。
ぺいんと
ぺいんと
お前パズルゲー強すぎな??
(なまえ)
あなた
頭脳明晰な僕にかかればこんなのはね〜
ぺいんと
ぺいんと
格ゲーの頭脳は無かったみたいだけどな
(なまえ)
あなた
……事実陳列罪だよそれ
ぺいんと
ぺいんと
……初耳なんだけど
普通の学生のように笑い、いじりつつも楽しく遊び…

まるで明日の深夜に館に行くことが無かったことにされているように、僕は満喫していた。
ぺいんと
ぺいんと
じゃあ、そろそろ寝るか
いつもより多めに寝なきゃだし
(なまえ)
あなた
うん…そうだね
電灯が消え、一瞬にして部屋の空気がしんと静まり返る。

そっか、僕ただお泊りしにきただけじゃなかったな……

ぺんちゃんが隣で寝ているはずなのに、何故か一人で寝ているような感覚。

不安は拭えているはずだ、けれど……

やっぱり覚悟というものが出来ていないのだろうか。
(なまえ)
あなた
(不安なのか…まだ)
一つ小さくため息をついた後、僕は瞼を閉じた。
作者
作者
マジで投稿空きすぎてすみません
作者
作者
いつの間にかこうなってた…
それではスィーユー

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