あっという間に時間が過ぎて、夜ご飯の時間。
みんなでバーベキューだ。
何食べようかな、と考えていた矢先、ゆのはちゃんに話しかけられた。
それから、士郎くんに声をかけられた。
二人で話したいと言われ、場所を変えようと立ち上がった。
あたしに告白に来てくれると言ってくれた。
嬉しかった。でも、あたしの気持ちはどうだろう。
確かに士郎くんのことが好き。それで固まってる。でも、本当にあたしでいいのかな。
継続行って、そこに士郎くんも来てもらって、そこで決めきる…?でも、その前にここであたしを想ってくれた士郎くんの気持ちはどうなるの…?
そういう士郎くんの声は、心做しか震えている気がした。
でもそれは、気のせいじゃなかった。彼の頬には、涙が伝っていた。
「 考えておいて…くださいっ…、 」
「 ずっとあなたのことしか考えてなかった 」
もう視野に入れてる。だから、大丈夫。
あたし、きっとあなたに好きって言うよ。
告白の前に部屋で準備をする。
髪を整えたりメイクを直したり、やることは様々だ。
あたしは、ゆのはちゃんと話している。
どういうこと?あたしはモテてなんかいない。
第一印象は誰からも入ってないと思うんだけど…違ったの?
つらつらと衝撃で1部事実と異なる発言がゆのはちゃんの口から発せられていく。
ゆのはちゃんは、深々と頭を下げた。
喧嘩したまま戻って、気まづくなるのが嫌だから。
本当に友達がいなくなるのが、怖かった。
ただ、それだけだった。
ゆのはちゃんが、あたしの胸元あたりに思いっ切り抱きついてきた。
もう、大丈夫。
今のあたしたちならきっと、なんだってできる。後から思い返してもこの瞬間だけは、そう思えていた。
ついに来た、告白の時間。
藍ちゃん、かわいいからモテそうなのに行かないんだ…好きな人、見つけられなかったのかな?でもそうだよね。35人くらいいて毎日通うクラスにもいないかもしれないのに、10人もいない中の2泊3日で好きな人を見つけるなんて、無理だよね。
それからすぐに、千佳ちゃんが呼ばれた。そのままどこかに歩いていった。
その一部始終はわからないけれど、ユズルくんと成立したみたい。千佳ちゃん、おめでとう。
そしてついに、あたしの番。指定された場所まで歩いた。
そこには、彼には少し不似合いな真面目な顔をした士郎くんがいた。
士郎くんは目をつぶって、左手を彼の心臓あたりに当てて右手を差し出した。
どうしよう。ずっと考えてたけど、決めきれなかった。自分の気持ちを、本物と思えなかった。
私の気持ちが、わからなかった。恋愛とか、はじめてだから。この気持ちが" 恋 "なのか、わからなかった。
そんな自分が嫌いで、嫌で、悔しくて、涙が溢れた。
次の継続に行くことを約束して、あたしたちは三門市に戻った。
『 find story 』 雪解雫編 完結 .

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。