第5話

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2019/03/31 12:03
彼は少し視線を落とした






う「…おれ、レイプされた。」

ギリギリ聞こえるくらいの小さな彼の声
一瞬、何を言われたのか分からなかった


さ「……れ、いぷって…え…いつ…?」
う「ちょうど1週間前くらい…」

確かに思い出すと彼に触れようとすると避けられるようになったのはそれくらいからだった
最初はさほど気にならなかったけど全く触れられないとなると少しづつ違和感が現れた

さ「なんですぐ言ってくれなかったん…?」
う「言えるわけ、ねぇだろ…」
さ「なんd」
う「だって!!!」

彼の大声で自分の言葉を遮られる

う「だって…名前も知らねぇやつに犯されて…おれ、初めてだったのに…言えねぇよ…さかたが、初めてはさかたがよかった…でも汚くなったおれに、触らせられない…さかたも、汚れる…おねがい、触っちゃだめだ…さかたのこと汚したくない…」

途切れ途切れ話し、少しずつ声が小さくなっていく
言い終わると止まっていた涙はまたポロポロと彼の頬をつたっていた
彼は膝の上で両手をにぎりしめその涙を拭うこともせずただ流すだけだった

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